兼題句


兼題 季節

つくつくし
時間切れ迫る投句やつくつくし

じかんぎれせまるとうくやつくつくし
鰯雲 振回す体操着入れ鰯雲

ふりまわすたいそうぎいれいわしぐも
初秋 初秋や白髪を染めに美容院

はつあきやしらがをそめにびよういん

色なき風
枯山水色なき風の流れをり

かれさんすいいろなきかぜのながれおり
昼寝 添寝する母より早し昼寝覚

そいねするははよりはやしひるねざめ

青嵐
吊り橋の足元過ぎる青嵐 

つりばしのあしもとよぎるあおあらし
風薫る アオザイの深いスリット風薫る

あおざいのふかいすりっとかぜかおる

種袋
抽選の残念賞に種袋

ちゅうせんのざんねんしょうにたねぶくろ
耕す 黙々と秩序正しく耕せり

もくもくとちつじょただしくたがやせり
春浅し 春浅し鳩はホームに降り立ちぬ

はるあさしはとはほーむにおりたちぬ
風光る フラダンス生花のレイに風光る

ふらだんすせいかのれいにかぜひかる
春立ちぬ 空広きフロリダに来し春立ちぬ

そらひろきふろりだにきしはるたちぬ
如月 如月の国際線を乗り継ぎぬ

きさらぎのこくさいせんをのりつぎぬ

キムチ鍋
キムチ鍋辛さ自慢となりにけり

きむちなべからさじまんとなりにけり
炬燵
掘炬燵
七並べ四人で遊ぶ掘炬燵

しちならべよにんであそぶほりごたつ
冬支度 新しき口紅買うも冬支度 

あたらしきくちべにかうもふゆじたく 
短日 短日や散歩の犬の早歩き

たんじつやさんぽのいぬのはやあるき
初時雨 傘差さず二人で走る初時雨

かさささずふたりではしるはつしぐれ
文化の日 文化の日青春18切符買ふ

ぶんかのひせいしゅんじゅうはちきっぷかう
爽やか 早朝の魚版響きし爽気かな  

そうちょうのぎょばんひびきしそうきかな
木の実 宝箱隅に数個の木の実かな

たからばこすみにすうこのこのみかな
兼題 推敲句 添削句 講評
梅まつり(春) 梅まつり和服の並ぶ野点かな

うめまつりわふくのならぶのだてかな
梅まつり白足袋並ぶ野点かな

うめまつりしろたびならぶのだてかな
この句も美しい良い句だ。と、思いながら、「和服の並ぶ」に引っかかっています。特に「の」でいいのかなと思ってしまうのです。
 一度推敲されませんか。
「和服の並ぶ」の「の」が気になりました。
 和服ばかりなのだろうか。という疑問なんです。
 「和服も」ならわかるのだがという思いでした。

 和服が「白足袋」となりましたね。
 和服よりはずっと上質な俳句になりましたね。
 秀句です。
涅槃寺(春) タイ式のマッサージ受く涅槃寺

たいしきのまっさーじうくねはんでら
か弱い女性なのに力任せにマッサージしたのでしょう。
 kouなら柔かくマッサージしますのにね^^
いいですね。
 秀句です。
バレンタインデー(春) バレンタインの日デパ地下避けて通り過ぐ

ばれんたいんのひでぱちかさけてとおりすぐ
バレンタインデーデパ地下避けて通りけり

ばれんたいんでーでぱちかさけてろおりけり
上五を「バレンタインデー」となさりませんか。
これで字余りが気にならなくなりますね。
鏡開(新年) 稽古終へ鏡開の剣士どち

けいこおえかがみびらきのけんしどち
こちらはよくできていますね。鏡開きは現在では1月11日が多いようですが、格式の高いところでは今でも建国記念の日にやっているようです。
秀句ですね。
うぐひす鳴く(春) 鶯の鳴く声為れど未だ見ず

うぐいすのなくこえすれどいまだみず
鶯や姿を見せて鳴いて欲し

うぐいすやすがたをみせてないてほし
こちらは少し説明的ですね。「為れど未だ見ず」は推敲したいですね。
声を聞くとこうした気持ちになるでしょうね。
佳句です。 
建国記念の日(春) 赤飯を買つて建国記念の日

せきはんをかってけんこくきねんのひ
これも「買うて」「買つて」どちらがいいかと、僅かに気になりますが、どちらもあり、秀句ですね。
立春(春) 立春や塾のチラシに合格者

りっしゅんやじゅくのちらしにごうかくしゃ
いいですね。
チラシに合格者の名前を出して、学生の募集。
秀句です。
春(春) カーテンを全て取替へ春来る

かーてんをすべてとりかえはつきたる
この句は女性らしくていいですね。
女性の細やかな気持ちが出ていて、今日の4の中では一番好きです。
秀句です。
寒明け(春) 寒明けや北国目指すボランティア

かんあけやきたぐにめざすぼらんてぃあ
「北国目指すボランティア」では、何のボランテイアなのかが、全くわかりませんね。
二月(春) 北へ行く旅の計画二月かな

きたへゆくたびのけいかくにがつかな
3句ともいいですね。「如月の」「北へ行く」は文句なく秀句ですね。
北海道にいらしてくださいよ。
1句目「衣更着や」と一度切りたいですね。
この句も良くできています。
本州はトラックで回って売りに来るのですものね
如月(春) 如月の練菓子並ぶ甘味茶屋

きさらぎのねりがしならぶあまみじゃや
衣更着(春)
衣更着の灯油トラックまだ来ぬか

きさらぎのとうゆとらっくなだこぬか
衣更着や灯油トラックまだ来ぬか

きさらぎやとうゆとらっくなだこぬか