8692.干し物を仕舞い忘れし春夕焼 返信 引用
名前:有亭 日付:2月18日(水) 9時8分
先生おはようございます。お教室の皆様おはようございます。
課題句に挑戦です。
パソコンに夢中になっていると部屋に西日が入ってきて
あわてて洗濯物を取り込みに行くと柔らかい夕日がまぶしく輝いていました。
「干し物」を千廣さんの俳句で知り「洗濯物」で困っていたのでラッキーでした。
宜しくお願いいたします。
http://yattiy.shashin-haiku.jp/
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8697.Re: 干し物を仕舞い忘れし春夕焼
名前:kou 日付:2月18日(水) 9時25分
有亭さん、おはよう^−^
ふつう「干し物」と言いませんか?もちろん「洗濯物」ですが。
夢中になれる、パソコンで何をなさっておられるのですか?
俳句ですが、
女性らしい俳句ですね。でも、季語が動きますね。
佳句です。
kouなら、
>干し物をとり忘れゐて春夕焼
とするかな^^
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8705.Re: 干し物を仕舞い忘れし春夕焼
名前:有亭 日付:2月18日(水) 15時30分
先生ありがとうございます。
最初「取り込み忘れし」にしたのですが8文字になるし
日常的な言葉よりちょっときれいな言葉でと思い「仕舞い忘れし」にしたのですが・・・
「季語が動きます」とはどう言うことでしょうか。お教えください。
http://yattiy.shashin-haiku.jp/
8720.Re: 干し物を仕舞い忘れし春夕焼
名前:kou 日付:2月18日(水) 22時5分
有亭さん、
「季語が動く」について書いてみましたので、
お読みください。
■ 「季語が動く」ということ
Date: 2009-02-18 (Wed)
「季語が動く」ということ
俳句会に出席すると、「季語が動きますね。」という言葉を主宰に言われることがある。
この「季語が動く」は感覚的なものであり、その俳句を作った人はそれが一番良い季語として選んだのであるから、その信念を曲げることは主宰者といえどもできない話である。
ただ、主宰から「季語が動く」といわれた場合、「その季語よりももっと良い季語があるのではないですか。」といわれたと思えば良い。
そして、自分の使った季語よりも、もっと良い季語があるはずだと思い、歳時記から見つけ出すことが必要である。もちろん、最初に使った季語が自分で一番良いと思えば、その信念を曲げる必要はないのである。
現代の俳人の中から「季語が動く」例を見出すことは難しい。なぜなら、句集にするまでに、何度も何度も推敲して句集とするので、その俳句の決定過程を見ることができないからである。
その点、芭蕉さんなど古典俳句では、研究されつくされており、現在人口に膾炙されるまでの過程がわかるところが良い。
そこで、芭蕉さんの俳句から「季語が動いた」と思われる例をあげてみたいと思う。
(原 句)・夏馬ぼくぼく我を繪に見るこころ哉
と、甲斐の国の旅行途中で最初の句が生まれた。
夏であるし、自分の乗る馬に着目して「夏馬」としたのである。
しかし、「夏馬ぼくぼく」の部分のリズムがしっくりとこなかった。
そこで、推敲をした句が、
(推敲句)・夏馬の遅行我を繪に見るこころ哉
とした。「かばのちこう」とよむが、これまた、語呂が悪いと判断したことと。
「夏馬」に拘泥して、この季語に執着している自分に気づいた。
そこで、芭蕉さんは、この「季語が動く」ことに気づいてこの季語を捨て、
(三敲句)・馬ぼくぼく我をゑに見る夏野哉
として、現在に伝えられているのである。
つまり、最初「夏馬」であった季語を、「夏野」としたのである。
この例など、「季語が動く」について示唆してくれるものと、kouは思うのである。
作者は、この季語が一番良いと思って作っていても、俳句が作品として自分の手から、読者の手に渡ったとき、別な季語の方が良いのではないかと思わせることがある。
これを「季語が動く」というのである。