30048.冴返る地虫の穴も塞がれり 返信 引用
名前:有亭 日付:2011/3/7(月) 8:36
先生皆様おはようございます。宜しくお願いいたします。
今朝の八王子は7時ごろから雪になっています。
http://shashin-haiku.jp/blog/187
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30053.Re: 冴返る地虫の穴も塞がれり
名前:kou 日付:2011/3/7(月) 9:19
有亭さん、おはよう^−^
八王子は雪ですか。きれいでしょう。
北海道は快晴ですよ。そんな雪の降るようなところにいないで、
北海道にいらしてくださ〜〜い。ハハハ
北海道はまだ雪が、kouの背丈ほどありますよ。
俳句ですが、
上五を「冴返り」としないとね。
連用形にするか、連体形にするかで意味が大きく違いますからね。
でも、秀句です。
http://blog.goo.ne.jp/kusyami2
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30061.Re: 冴返る地虫の穴も塞がれり
名前:有亭 日付:2011/3/7(月) 13:59
先生ありがとうございます。
「冴返る」が連体形「冴返り」が連用形は調べて分かりましたが<意味が大きく違う>のが良くわかりません。
お教え下さい。
http://shashin-haiku.jp/blog/187
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30072.Re: 冴返る地虫の穴も塞がれり
名前:kou 日付:2011/3/7(月) 16:5
動詞の活用もこれまでに何度か書きましたが、
もう一度書きましょうね。
冴え返る(自五)@光や音が非常に良く澄む。冷え切る。(冬)
A寒さがぶり返す。(春) 「広辞苑」より
辞書を見るとこうなっています。
で、注目するのは、もちろん意味ですが、意味はこのさえおいておいて、(自・五)に注目してほしいのです。
「自」は自動詞で、「自然にそうなる」という意味の「自」です。
これに対し、「他から働きかけられてそうなる」のが他動詞の「他」です。
次の「五」は口語で「五段活用」するという意味です。
ただ、文語では「五段活用」はありません。
五段とは「あいうえお」の五に変化するという意味です。
「書く」という動詞で例をあげると、
口語では 文語では
(手紙を)書か・ない。・・・・・・未然形 書か・ず/む
(手紙を)書き・ます。・・・・・・連用形 書き・けり/たり
(手紙を)書く。・・・・・・・・・終止形 書く。
(手紙を)書く・とき//(机)名詞・連体形 書く・とき/名詞
(手紙を)書け・ば・・・・・・・・仮定形 書け・ば/ども
(手紙を)書け。・・・・・・・・・命令形 書け。
(手紙を)書こ・う・・・・・・・・推量形 ===
辞書では最後の「推量形」はありません。
「未然形」となっています。
「推量形」は kouが中国の大学で
「手紙を書こうか、遅いからねようか。」に使うとよい。
と、教え、それが認められ、現在では「推量形」が
参考書などで使われるようになりました。
これを見ると、口語では「かきくけこ」と五段となっていますが、
文語では、最後の「書こう」という形はありません。
したがって「自四」となっています。
さて、連用形と連体形の違いですが、
連用形は、そこで一度文意が切れます。「手紙を書きます。」です。
これに対し、連体形は「手紙を書くとき、便箋とペンが必要になります。」という具合に、動詞の後に名詞が続きます。
ここからが、有亭さんの俳句なんですが、
・冴返る地虫の穴も塞がれり
で、文法の上からは、「冴え返る(自四)地蟲の穴」で完璧に正解です。
しかし、それ以上に大事なのが形なのです。
俳句は、「5+7・5」か「5・7+5」が基本となります。
もちろん一句一章もありますが、だらだらと続いてしまいます。
それで、
>冴返り地虫の穴も塞がれり
とすると、すっきりとした、切れの良い二句一章の明るくスマートな俳句となるのです。
そんなことで、連用形の方がいいでしょうと申し上げました。
ご理解頂けましたか。kou
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30076.Re: 冴返る地虫の穴も塞がれり
名前:有亭 日付:2011/3/7(月) 16:47
先生ご丁寧な説明ありがとうございます。
動詞の活用が良くわかりました。
私の句も一句一章と二句一章の違いが良くわかりました。
先生に質問して良かった!ありがとうございました。
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30081.Re: 冴返る地虫の穴も塞がれり
名前:kou 日付:2011/3/7(月) 20:31
有亭さんにわかっていただいて、嬉しいですね。
また、何かありましたら、ご質問ください。
42号の埋め草に再掲するかもです。
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30107.先生質問です 返信 引用
名前:有亭 日付:2011/3/8(火) 17:4
自分なりにまとめてみましたが頭が混乱しています。
冴返る地虫の穴も塞がれり
冴返る=連体形
冴返るとき+地虫(名詞)
一句一章
冴返り地虫の穴も塞がれり
冴返り=連用形
冴返ります。文が切れる。
二句一章
風光る転んで泣かぬ児となりぬ
風光る=終止形
風光る。文が切れる。
二句一章
風光り転んで泣かぬ児となりぬ
風光り=連用形
風光ります。文が切れる。
二句一章
連体形と終止形の違いがわかりません。
後の文が名詞か名詞以外の違いですか?
「風光り」はなぜ間違いなのですか?
お教えください。
http://shashin-haiku.jp/blog/187
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30110.Re: 先生質問です
名前:kou 日付:2011/3/8(火) 20:22
連体形と終止形の違いがわかりません。後の文が名詞か名詞以外の違いですか?
A連体形と終止形の違いがわかりません。
昨日の有亭さんへの「動詞活用」を見てください。
動詞:光る・自・四・・ですと、
光ら・ず/む・・・・・未然形
光り・けり/たり・・・連用形
光る。・・・・・・・・終止形
光る・時/名詞・・・・連体形
光れ・ば/ども・・・・已然形
光れ。・・・・・・・命令形
わかりますね。
連体形は後ろに、必ず名詞が来ます。
終止形は、そこで文が切れます。
質問の、「後の文が名詞か名詞以外の違いですか?」
その通りです。
A「風光り」はなぜ間違いなのですか?お教えください。
「光り」は連用形ですね。
連用形とすると、
それに続く言葉は「けり」か「たり」でないといけません。
つまり助動詞が来るのが、一般的です。
ところが、
瓢花さんの俳句は「風光る転んでも泣かぬ児となりぬ」でした。
「光り」に続いて、「転んで」という動詞、もうひとつ「泣か」と
いう動詞が並びます。
こうした、動詞が3つも続くということは、俳句ばかりではなく、
一般の文でも、まずないことです。
したがって、「間違いなんです」と書きました。
「風光り」と使いたければ、
>転んでも泣かぬ児に風光りけり
とでもしなければなりません。
この結果、
>風光る。転んでも泣かぬ児となりぬ(ました)
これが、形であり、正解なんですね。
有亭さん、よろしいですか。
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