俳句新聞 いつき組

2015年1月(1号)〜2019年10月(20号)
 
購読料・3500円(1年4回発行)

俳号・ヤッチー

掲載号 番号 評価 季語 季節
2019年10月20号 49
雑詠
くらむぼん
鶴来るや木綿の針の三ノ三

つるくるやもめんのはりのさんのさん
鶴来る
48 佳作 日本の色歳時記
萌黄色(もえぎいろ)
初夏の森萌黄色なる深呼吸

しょかのもりもえぎいろなるしんこきゅう
初夏
2019年7月19号 47 雑詠
くらむぼん
時の日や拾ふ一円玉の価値

ときのひやひろういちえんだまのかち
時の日
46 佳作 日本の色歳時記
香色(こういろ)
丁子色(ちょうじいろ)
丁子染(ちょうじぞめ)
香染(こうぞめ)
夏場所へ担ぐ座布団丁子染

なつばしょへかつぐざぶとんちょうじぞめ
夏場所
45 秀逸 虹の座 象の鼻高く掲げて虹を吐く

ぞうのはなたかくかかげてにじをはく
2019年4月18号 44 雑詠
くらむぼん
ひなの墓乙女椿の影の中

ひなのはかおとめつばきのかげのなか
乙女椿
43 佳作 日本の色歳時記
一斤染(いっこんぞめ)
聴色(ゆるしいろ
早春のバランスボール聴色

そうしゅんのばらんすぼーる
早春
42 佳作 蛤の座 蛤や打ちし碁石の響く音

はまぐりやうちしごいしのひびくおと
2019年1月17号 41 雑詠
くらむぼん
自転車の布教師若し御講凪

じてんしゃのふきょうしわかしおこうなぎ
御講凪
40 佳作 日本の色歳時記
檜皮色(ひわだいろ)
樹皮色(きはだいろ)
木色(もくじき)
木色の壁紙に射す大夕焼

もくじきのかべがみにさすおおゆやけ
大夕焼
39 佳作 霜夜の座 終電を待てる霜夜の二人連れ

しゅうでんをまてるしもよのふたりずれ
霜夜
2018年10月16号 38 雑詠
くらむぼん
朝霧を鈴の音走り来る予感

あさぎりをすずのねはしりくるよかん
朝霧
37 例句候補 日本の色歳時記
二藍(ふたあい)
二藍や寡婦の清住む夏館

ふたあいやかふのきよすみなつやかた
夏館
36 秀逸 水澄むの座 白犀の小耳小刻み水澄めり

しろさいのこみみこきざみみずすめり
水澄む
2018年7月15号 35 雑詠
くらむぼん
夏帽のゴム母の手で顎に掛く

なつぼうのごむははのてであごにかく
夏帽
34 佳作 日本の色歳時記
刈安色(かりやすいろ)
避暑地の夜刈安色の星数多

ひしょちのよかりやすいろのほしあまた
避暑地
33 佳作 薔薇の座 天空も大海も青薔薇は赤

てんくうもたいかいもあおばらはあか
薔薇
2018年4月14号 32 雑詠
くらむぼん
若緑一族揃ふ写真館 

わかみどりいちぞくそろうしゃしんかん
若緑
31 例句候補 日本の色歳時記
鳩羽鼠(はとばねず)
鳩羽鼠(はとばねずみ)
鳩鼠(はとねず)
鳩羽色(はとばいろ)
真打の夏座布団の鳩羽色 

しんうちのなつざぶとんのはとばいろ
夏座布団
30 秀逸 暖かの座 十数ふ鬼の背中の暖かし

じゅうかぞうおにのせなかのあたたかし
暖か
2018年1月13号 29 雑詠
くらむぼん
喉仏隠しておりぬ雪女郎(訂正・をりぬ

のどぼとけかくしておりぬゆきじょろう
雪女郎
28 佳作 日本の色歳時記
緋(あけ)
緋色(ひい)
火色(ひいろ)
茜色(あかねいろ)
新春の猩々を舞う緋頭(訂正・舞ふ)

しんしゅんのしょうじょうをまうあけがしら
新春 新年
27 佳作 焚火の座 焚火より煙一筋無人島

たきびよりけむりひとすじむじんとう
焚火
2017年10月12号 26 雑詠
くらむぼん
二学期の黒板消しは定位置に

にがっきのこくばんけしはていいちに
二学期
落選 瑠璃色(るりいろ)
25 佳作 鹿の座 檻に住む神使の鹿の餌を買ふ

おりにすむしんしのしかのえさをかう
鹿
2017年7月11号 24 雑詠
くらむぼん
炎熱のダビッドソンも爆音も

えんねつのだびっどそんもばくおんも
炎熱
23 初夏の白きリネンの匂ひかな

はつなつのしろきりねんのにおいかな
初夏
22 例句候補 日本の色歳時記
麹塵(きくじん)
青白橡(あおしろつるばみ)
山鳩色(やまばといろ)
麹塵の象の睫毛を突く蠅

きくじんのぞうのまつげをつつくはえ
21 秀逸 泉の座 屈む一角獸の映れる泉

こごむいっかくじゅうのうつれるいずみ
2017年4月10号 20 並選 雑詠
くらむぼん
幹囲むペットの墓標家桜

みきかこむぺっとのぼひょういえざくら
家桜
19 佳作 日本の色歳時記
朱華(はねず)
朱花(はねず)
唐棣花(はねず)
棠棣(はねず)
入園の朱華色めく式次第

にゅうえんのはねずいろめくしきしだい
入園
18 秀逸 春愁の座 春愁の頬を突いて紫煙の輪

しゅんしゅうのほほをつついてしえんのわ
春愁
2017年1月9号 17 佳作 日本の色歳時記
空五倍子色(うつぶしいろ)
英吉利の空と兎の空五倍子色 

いぎりすのそらとうさぎのうつぶしいろ
16 佳作 淑気の座 床の間の假屋崎風淑気満つ 

とこのまのかりやざきふうしゅくきみつ
淑気 新年
2016年10月8号 15 佳作 日本の色歳時記
甕覗(かめのぞき)
覗き色(のぞきいろ)
白殺し(しろごろし)
終戦忌大空を染む甕覗

しゅうせんきおおぞらをしむかめのぞき
終戦忌
14 秀逸 野分の座 蟀谷の小さき膏薬野分来る

こめかみのちさきこうやくのわきくる
野分
2016年7月7号 13 佳作 日本の色歳時記
珊瑚色(さんごいろ)
珊瑚朱色(さんごしゅいろ)
珊瑚珠(さんごじゅ)
珊瑚朱(さんごしゅ)
飛び込みのジャンプの踵珊瑚色

とびこみのじゃんぷのかかとさんごいろ
飛び込み
12 佳作 青葉の座 青葉して別宅にゐて膝枕

あおばしてべったくにいてひざまくら
青葉
2016年4月6号 11 例句候補 日本の色歳時記
常磐色(ときわいろ)
常盤色(ときわいろ)
ときわ色
金秋に干す締込みの常磐色 

きんしゅうにほすしめこみのときわいろ
金秋
10 秀逸 雛の座 雛の間息を潜みて夜を待ちぬ 

ひいなのまいきをひそみてよをまちぬ
雛の間
2016年1月5号 9 佳作 日本の色歳時記
紫根(しこん)
紫草(むらさきぐさ)
本紫(ほんむらさき)
縁色(ゆかりいろ)
顔見世の紫根鉢巻仁左衛門

かおみせのしこんはちまきにざえもん
顔見世
8 秀逸 水鳥の座 水鳥の水尾の離るる倦怠期

みずどりのみおのはなるるけんたいき
水鳥
2016年10月4号 7 例句候補 日本の色歳時記
黄櫨染(こうろぜん)
黄櫨(こうろ)
犇いて桶を黄櫨にくず金魚

ひしめいておけをこうろにくずきんぎょ
金魚
6 秀逸 月の座 俊寛の涙を照らす月清し

しゅんかんのなみだをてらすつききよし
2016年7月3号 5 例句候補 日本の色歳時記
色(はなだいろ)
はなだ・はなだ色・花色(はないろ)
花田色(はなだいろ)
縹色威(はなだいろおどし)
縹紙(はなだがみ)
縹草(はなだぐさ)
海の色透けて海月の縹色

うみのいろすけてくらげのはなだいろ
海月
4 ノミネート20句(7点句) 蛍の座 象渡る川に生まるる蛍かな

ぞうわたるかわにうまるるひたるかな
2016年4月2号 3 佳作 日本の色歳時記
真朱(まそを・まそほ)
真緒(まそを・まそほ)
辰砂(しんしゃ・しんさ)
婚姻の印の真朱が指に春

こんいんのいんのますおがゆびにはる
春 
2 秀作 花の座 花ちゃんは花咲くころに産まれます

花ちゃんははなさくころにうまれます
春 
2015年1月1号 1 ノミネート20句(6点句) 雪の座 突き通す傘の穴雪つて碧い

つきとおすかさのあなゆきってあおい