「俳句ポスト365」

選者・夏井いつき

2013年2月(第1回)〜2021年3月(第259回)

俳号・ヤッチー

兼題 季節 俳句 評価 コメント 発表日付
259回 卒業 卒業の部活仲間の輪に顧問

そつぎょうにぶかつなかまのわにこもん
258回 磯巾着 磯巾着雨は紫色かしら

いそぎんちゃくあめはむらさきいろかしら
257回 春の夕焼 春夕焼散薬包むオブラート

はるゆうやけさんぽうつつむおぶらーと
256回 狐火 狐火を見たか見ないか多数決

きつねびをみたかみないかたすうけつ
255回 日輪に引けを取らざる鷹の空

にちりんにひけをとらざるたかのそら
254回 寒海苔 投句忘れる
253回 投句忘れる
252回 熱燗 熱燗や父の福耳私にも

あつかんやちちのふくみみわたしにも
2020年12月3日
251回 大いなる嚏や嚏また嚏

おおいなるくしゃみやくしゃみまたくしゃみ
2020年11月19日
250回 実紫 投句わすれる
249回 秋晴 投句わすれる
248回 唐辛子 唐辛子包む朝鮮日報紙

とうがらしつつむちょうせんにっぽうし
2020年9月24日
247回 野分 野分来て家屋に声のような物(やうな物)

のわききてかおくにこえのようなもの
2020年9月10日
246回 藤袴 投句わすれる
245回 蝉聞きて真昼の情事哀れなり

せみききてまひるのじょうじあわれなり
2020年8月6日
244回 プール コーチを囲むプールに笑顔の波

こーちをかこむぷーるにえがおのなみ
2020年7月16日
243回 翡翠 翡翠の残像色の飛び立てり

かわせみのざんぞういろのとびたてり
2020年7月2日
242回 梅雨寒 梅雨寒の赤きネオンや歌舞伎町

つゆざむのあかきねおんやかぶきちょう
2020年6月18日
241回 鰻食ぶ姪も二人の子等を生す

うなぎたぶめいもふたりのこらをなす
2020年6月4日
240回 姫女苑 投句忘れる
239回 春暖 春暖の御襁褓外しの始まりぬ

しゅんだんのおむつはずしのはじまりぬ
2020年4月23日
238回 ボートレース 競漕の川風の滑らかに吹く

きょうそうのかわかぜのなめらかにふく
2020年4月9日
237回 蒸鰈 投句忘れる
236回 蕨餅 男系の中心に母わらび餅

だんけいのちゅうしんにははわらびもち
2020年3月12日
235回 麦踏 投句忘れる
234回 寒椿 雄鶏の雌鶏を呼ぶ寒椿

おんどりのめんどりをよぶかんつばき
2020年2月13日
323回 冬眠 冬眠の山はつかなる息遣い(ひ)

とうみんのやまはつかなるいきずかい
2020年1月30日
232回 雪女 優しさに解けてしまい(ひ)ぬ雪女

やさしさにとけてしまいぬゆきおんな
2020年1月16日
231回 鱈場蟹 偶数は二で割れる数鱈場蟹

ぐうすうはにでわれるかずたらばがに
2019年12月19日
230回 落葉 落葉踏む色と音色のハーモニー

おちばふみおととねいろのはーもにー
2019年12月5日
229回 初冬 冬の手を滑りたる下足札

はつふゆのてをすべりたるげそくふだ
2019年11月21日
228回 檸檬 レモン沁む親不孝てふささくれに

れもんしむおやふこうてうささくれに
2019年11月7日
227回 荷卸は朝取り茸道の駅

におろしはあさどりきのこみちのえき
2019年10月24日
226回 重陽 重陽の相槌を打つ聞き上手

けいちょうのあいずつをうつききじょうず
2019年10月10日
225回 竜田姫 竜田姫強行軍もまた一興

たつたひめきょうこうぐんもまたいっこう
2019年9月26日
224回 秋薔薇 宅配の三輪バイク秋の薔薇

たくはいのさんりんばいくあきのばら
2019年9月12日
223回 轡虫 まじまじと夫の寝顔や轡虫

まじまじとつまのねがおやくつわむし
2019年8月29日
222回 往復の陸路空路や祭鱧

おうふくのりくろくうろやまつりはも
2019年8月1日
221回 空蝉 空蝉の爪に残るる生気かな

うつせみのつめにのこるるせいきかな
2019年7月18日
220回 楊梅 楊梅や子の目輝く読み聞かせ

やまももやこのめかがやくよみきかせ
2019年7月4日
219回 罌粟坊主 子を叱り共に涙す罌粟坊主

こをしかりともになみだすけしぼうず
2019年6月20日
218回 蝦蟇の眼や巷の噂など知らん

がまのめやちまたのうわさなどしらん
2019年6月6日
217回 水鉄砲 水鉄砲撃たれて死んでまた生きて

みずてっぽううたれてしんでまたいきて
2019年5月23日
216回 桜鯛 桜鯛稚の名久し内祝

さくらだいややのなひさしうちいわい
2019年4月25日
215回 サイネリア 絡ませるタンゴのヒールサイネリア

からませるたんごのひーるさいねりあ
2019年4月11日
214回 柏落葉 柏落葉象の形の滑り台

かしわおちばぞうのかたちのすべりだい
2019年3月21日
213回 ていれぎ ていれぎや名脇役の入る鬼籍

ていれぎやめいわきやくのいるきせき
2019年3月7日
212回 ほうれんそう CMの間に菠薐草を茹でる

しーえむのまにほうれんそうをゆでる
2019年2月28日
211回 うらうら うらうらやちゆつちゆちゆつちゆと乳を吸ふ

うらうらやちゆつちゆちゆつちゆとちちをすう
2019年2月7日
210回 今日は鮃のフィッシュ・アンド・チップス

きょうはひらめのふぃっしゅあんどちっぷす
2019年1月31日
209回 雪兎 雪兎玩具箱には仕舞はれぬ

ゆきうさぎおもちゃばこにはしまわれぬ
2019年1月17日
208回 枇杷の花 賞罰の無き履歴書や枇杷の花

しょうばつのなきりれきしょやびわのはな
2018年12月20日
207回 重ね着 重ね着のころころころと小さき母

かさねぎのころころころとちさきはは
2018年12月6日
206回 炬燵 世話物の睦む二人の炬燵かな

せわもののむつむふたりのこたつかな
2018年11月22日
205回 胡桃 胡桃割る喜怒哀楽に見える顔

くるみわるきどあいらくにむえるかお
2018年11月8日
204回 色鳥 色鳥と派手に装ふ老人と

いろどりとはでによおおうろうじんと
2018年10月25日
203回 無花果 危うくて熟れ残りたる無花果は

あやうくてうれのこりたるいちじくは
2018年10月11日
202回 無月 酒臭き男衆仰ぐ無月かな

さけくさきおとこしあおぐむげつかな
2018年9月27日
201回 稗の酒大地の果てを旅役者

ひえのさけだいちのはてのたびやくしゃ
2018年9月13日
200回 鰯雲 鰯雲バケツの水に飼はれをり

いわしぐもばけつのみずにかはれをり
2018年8月30日
199回 繋がつて円にならざる踊の輪

つながってえんにならざるおどりのわ
2018年8月16日
198回 夏草
197回 海の日 海の日を行く中央自動車道

うみのひをゆくちゅうおうじどうしゃどう
2018年7月19日
196回 赤潮 赤潮を眺めてをりぬ白き鷺

あかしおをながめておりぬしろきさぎ
2018年7月5日
195回
194回 老鶯 老鶯は高尾の森と言ふ近所

ろうおうはたかおのもりというところ
2018年6月7日
193回 初鰹 初鰹旅の夜空は酒臭き

はつがつおたびのよぞらじはさけくさき
2018年5月24日
192回 蟻好む道を作りて仕舞けり

ありこのむみちをつくりてしまいけり
2018年5月10日
191回 金盞花(きんせんか) 投句忘れる
190回 三色菫 三色菫クピド矢を持て隠れをり

さんしきすみれくぴとやをもてかくれおり
2018年4月12日
189回 春潮 富士見坂上りて春の潮眺む

ふじみざかのぼりてはるのしおながむ
2018年3月29日
188回 2018年3月15日
187回 しゃぼん玉 人生はこんなものかもしゃぼん玉

じんせいはこんなものかもしゃぼんだま
2018年3月1日
186回 石蓴 石蓴採り江戸っ子として繋ぐ代

あおさとりえどっことしてつなぐだい
2018年2月15日
185回 ラグビー ラグビーや我スタイルを貫きぬ

らぐびーやわかすたいるをつらぬきぬ
2018年2月1日
184回 探梅 探梅の何時しか此処は獣道

たんばいのいつしかここはけものみち
2018年1月18日
183回 炭燃ゆる四人姉妹の読書会

すみもゆるいにんしまいのどくしょかい
2017年12月21日
182回 水涸る 水涸れてもう何日も口利かぬ

みずかれてもうなんにちもくちきかぬ
2017年12月7日
181回 鰭酒 鰭酒やつつつつつつと動く椀

ひれざけやつつつつつつとうごくわん
2017年11月23日
180回 舞茸 舞茸の好きな子に育てしは叔父

まいたけのすきなこにそだてしはおじ
2017年11月9日
179回 烏瓜 烏瓜曾祖母祖母と九十九髪

からすうりそうそぼそぼとつくもがみ
2017年10月26日
178回 櫨紅葉 髪染めの色は紫櫨紅葉

かみぞめのいろはむらさきはぜもみじ
2017年10月12日
177回 鰯割く刃物めきたる指の先 

いわしさくはものめきたるゆびのさき
2017年9月7日
176回 菊日和 菊日和射的の玉の弾け飛ぶ

きくびよりしゃてきのたまのはじけとぶ
2017年8月31日
175回 蜩に天気占ふ靴飛ばす

ひぐらしにてんきうらなうくつとばす
2017年8月17日
174回 夏越 未投句
173回 秋櫻子忌 頂上の幾つもありて秋櫻子忌

ちょうじょうのいくつもありてしゅうおうしき
2017年7月20日
172回 日焼 日焼子の風呂をあがりて白きとこ

ひやけのこふろwぱがりてしろきとこ
2017年7月6日
171回 白靴 白靴の白き靴底走り去る

しろぐつのしろきくつぞこはしりさる
2017年6月22日
170回 芒種 研ぐ米をきゅっきゅと鳴かせ芒種かな

とぐこめをきゅきゅとなかせぼうしゅかな
2017年6月8日
169回 青芝 フロリダのスプリンクラー芝青し

ふろりだのすぷりんくらーしばあおし
2017年5月25日
168回 薄暑 リコーダー吹く指先の薄暑光

りこーだーふくゆびさきのはくしょこう
2017年5月11日
167回 菜の花 菜の花や潮風肌に纏はるる

なのはなやしおかぜはだにまとわるる
2017年4月27日
166回 雲(季語・春の雲) 空腹を満たす形の春の雲

くうふくをみたすかたちのはるのくも
2017年4月13日
165回 渡り漁夫 濁声で歌ふ演歌や渡り漁夫

だみごえでうたうえんかやわたりぎょふ
2017年3月30日
164回 蕨狩 蕨狩渓に笑ひの三賢者

わらびがりけいにわらいのさんけんじゃ
2017年3月16日
163回 蜂よお前も戦きて唸るのか

はちよおまえもおののきてうなるのか
2017年3月2日
162回 山焼 山焼くや善い事メモに書記す

やまやくやよいことめもにかきしるす
2017年2月16日
161回 鷹狩 鷹狩や手乗り鸚哥のつぶらな眼

たかがりやてのりいんこのつぶらなめ
2017年1月30日
160回 熊語るムツゴロウ氏のど迫力

くまかたるむつごろうしのどはくりょく
2017年1月19日
159回 毛布 倒さるるシャンプー台に膝毛布

たおさるるしゃんぷーだいにひざもうふ
2016年12月22日
158回 風邪 子に飲ます風邪の薬をちよいと舐む

こにのますかぜのくすりをちょいとなむ
2016年12月8日
157回 波郷忌 息吸つて止めて波郷忌青き空

いきすってとめてはっぎょうきあおきそら
2016年11月24日
156回 蘆刈 蘆刈の口吸いされる刺の指

あしがりのくちすいされるとげのゆび
2016年11月10日
155回 湿地茸 料亭の賄食の湿地茸かな

りょうていのまかないしょくにしめじかな
2016年10月27日
154回 秋薊 秋薊GAGAの片目の付け睫毛

あきあざみががのかためのつけまつげ
2016年9月29日
153回 胡麻 歯間に潜む一粒の胡麻ありや

しかんにひそむひとつぶのごまありや
2016年9月15日
152回 啄木鳥 啄木鳥を仰ぎ見る子に喉仏

きつつきをあおぎみるこにのどぼとけ
2016年9月1日
151回 鵙の贄 午後一は保健体育鵙の贄

ごごいちはほけんたいいくもずのにえ
2016年8月18日
150回 五月雨 五月雨や読み上げ算の名調子

さみだれやよみあげざんのめいちょうし
2016年8月4日
149回 月見草 夜型の人間でした月見草

よるがたのにんげんでしたつきみそう
2016年7月21日
148回 冷麦 冷麦の赤の一本譲ります

ひやむぎのあかのいっぽんゆずります
2016年7月7日
147回 ごきぶり ごきぶりを憎しむ眼子を愛する目

ごきぶりをにくむめこをあいするめ
2016年6月23日
146回 蜻蛉生る 蜻蛉生る川底に朽つる下駄

とんぼうまるかわぞこにくつるげた
2016年6月10日
145回 蜜柑の花 都会より蜜柑の花の似合ふ妻

とかいよりみかんのはなのにあうつま
2016年5月27日
144回 鮓握るサラリーマンの父の趣味

すしにぎるさらりーまんのちちのしゅみ
2016年5月12日
143回 菜種梅雨 菜種梅雨有平棒のZ巻き

なたねつゆありふらぼうのぜっとまき
2016年4月28日
142回 海胆 海胆摘む私はとうに大人です

うにつまむわたしはとうにおとなです
2016年4月14日
141回 貝寄風 貝寄風や船場言葉のまろやかさ

かいよせやせんばことばのまろやかさ
2016年4月1日
140回 馬鈴薯植う 渺茫の地を母として馬鈴薯植う

びょうぼうのちをははとしてばれいしょうう
2016年3月17日
139回 若冲の庭に放たる雉子かな

じゃくちょうのにわにはなたるきじこかな
2016年3月3日
138回 野焼 縄文の農家の衆の野焼かな

じょうもんののうかのしゅうののやきかな
2016年2月18日
137回 伊予柑 伊予柑をリュックにふたつ山ガール

伊予かんをりゅっくにふたつやまがーる
2016年2月5日
136回 冬凪 冬凪を眼下に望む丸き窓

ふゆなぎをがんかにのぞむまるきまど
2016年1月21日
135回 歌留多 新年 歌留多詠む節に驚き躊躇の手

かるたよむふしにおどろきちゅうちょのて
2016年1月7日
134回 山眠る 山眠り球子の握る筆数多

やまねむりたまこのにぎるふであまた
2015年12月24日
133回 蜜柑 好物の一位に推せる蜜柑かな

こうぶつのいちいにおせるみかんかな
2015年12月10日
132回 ねんねこ ねんねこを揺らして泣けり固太り

ねんねこをゆらしてなけりかたぶとり
2015年11月26日
131回 葱鮪 弁当の隅に昨夜の葱鮪かな

べんとうのすみにさくやのなぎまかな
2015年11月12日
130回 秋刀魚 秋刀魚焼く秋刀魚用てふ長き皿

さんまやくさんまようというながきさら
2015年10月23日
129回 栗を剥く刃物持つ手に気合入る

くりをむくはものもつてにこあいいる
2015年10月23日
128回 秋の雲 アキノクモユメハオホキクハテシナク

あきのくもゆめはおおきくはてしなく
2015年10月15日
127回 秋風 秋風に群れの鬣耀けり

あきかぜにむれのたてがみかがやけり
2015年10月1日
126回 蓮の実 蓮の実飛ぶ縄文人も見つらむか

はすのみのとぶじょうもんじんもみつらむか
2015年9月18日
125回 秋の蝶 楼閣をふらふら見上ぐ秋の蝶

ろうかくをふらふらみあぐあきのちょう
2015年9月10日
124回 枝豆 枝豆の鞘切る音は確か父

えだまめのさやきるおとはたしかちち
2015年9月3日
123回 桔梗 帰国して花舗の装ひ桔梗等

きこくしてかほのよそおいききょうなど
2015年8月20日
122回 蜻蛉 乳飲み児の吾を抱く父ちちろ虫

ちのみごのわれをだくちちちちろむし
2015年8月13日
121回 ハンカチ ハンカチの刺繍の解れ肌に触れ

はんかちのししゅうのほつれはだにふれ
2015年8月6日
120回 葛餅 葛餅と旅公演のポスターと

くずもちとたびこうえんのぽすたーと
2015年7月30日
119回 百物語 笑はれて百物語終りけり

わらわれてひゃくものがたりおわりけり
2015年7月23日
118回 登山 心根を晒す独りの登山かな

こころねをさらすひとりのとざんかな
2015年7月16日
117回 目高 目高飼ふニックネームを付けて飼ふ

めだかかうにっくねーむをつけてかう
2015年7月9日
116回 南風 ゴム手袋を裏にして干す南風

ごむてぶくろをうらにしてほすみなみ
2015年7月2日
115回 金魚玉 金魚玉瀬戸物店の上の棚

きんぎょだませとものてんのうえのたな
2015年6月25日
114回 六月 六月の甘き香りの新所帯

ろくがつのあまきかおりのしんじょたい
2015年6月18日
113回 高菜 漬物にされて名を売る高菜かな

つけものにされてなをうるたかなかな
2015年6月11日
112回 滴り 滴りの音羊水の中の音

したたりのおとようすいのなかのおと
2015年6月5日
111回 初夏 汕頭の絹の刺繍や夏始 

すわとうのきぬのししゅうやなつはじめ
2015年5月14日
110回 黄金週間 黄金週間調整済の勤務表

おうごんしゅうかんちょうせいずみのきんむひょう
2015年5月7日
109回 春の月 膝を折り休む駱駝や春の月 

ひざをおりやすむらくだやはるのつき
2015年4月30日
つば九郎の傘突上げて春の月

つばくろうのかさつきあげてはるのつき
108回 暖か 暖かやマクドナルドのカフェテラス
 
あたたかやまくどなるどのかふぇてらす
2015年4月23日
107回 花冷え 花冷やガラスの床より見る真下 

はなびえやがらすのゆかよりみるました
2015年4月16日
106回 花種蒔く 花種蒔く子の初めての句を褒めり 

はなだねまくこのはじめてのくをほめり
2015年4月10日
105回 水草生う 子宮蹴る足らしきもの水草生ふ

しきゅうけるあしらしきものみくさおう
2015年4月2日
104回 三月 三月の芯直折れるシャープペン

さんがつのしんすぐおれるしゃーぷぺん
2015年3月26日
103回 水菜 あれほどの水菜を湯でてこれほどに 

あれほどのみずなをゆでてこれほどに
2015年3月19日
102回 春の風 ランナーよ春風の中走り込め 

らんなーよしゅんぶうのなかはしりこめ
2015年2月27日
101回 蛤のQと鳴いたる金だらい

はまぐりのきゅとないたるかなだらい
2015年2月20日
100回 白梅 白梅やハンドバッグの御朱印帳

はくばいやはんどばっぐのごしゅいんちょう
2015年2月13日
99回 冬服 冬服の変りたる駅変りたる 

ふゆふくのかわりたるえきかわりたる
2015年2月6日
98回 採氷 採氷の浮く重さうに軽さうに 

さいひょうのうくおもそうにかるそうに
2015年1月29日
97回 冬芽 冬芽満つ一歩踏出す力満つ

ふゆめみついっぽふみだすちからみつ
2015年1月22日
96回 寒蜆 酔ひ覚ます椀をはみ出す寒蜆

よいさますわんをはみだすかんしじみ
2015年1月15日
95回 福引 新年 福引や人の不運をほくそ笑む 

ふくびきやひとのふうんをほくそえむ
2015年1月8日
94回 冬至粥 歳問はれ厄年と言ひ冬至粥

としとわれやくどしといいとうじがゆ
2014年12月25日
93回 牡丹鍋 彫刻を施す座卓牡丹鍋 

ちょうこくをほどこすざたくぼたんなべ
2014年12月18日
92回 斯くも大なり白長須鯨とは 

かくもだいなりしろながすぐじらとは
2014年12月12日
アフリカに入りて鯨を見たりけり 

あふりかにいりてくじらをみたりけり 
なし 今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●アフリカ旅行でフォルス湾の鯨を遠目で見たことがあります。泉鏡花の「京に入りて市の鯨を見たりけり」をまねしました。だめでしょうか。/ヤッチー

○うっかり似たような句になることはあるかとは思いますが、せっかくアフリカで鯨をご覧になった訳ですから泉鏡花を越える名句に挑戦してください♪
2014年12月9日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長へ黄落の回で大阪華子さんのお句を私が納得していないことを組長に見抜かれてしまいました。丁寧な講評を頂きありがとうございました。しっかりと納得させていただきました。杉本とらをさん、丸山清子さんも組長の答えに納得しましたとコメントをくださいました。個人授業を受けたようなお得感のある火曜日本当にありがとうございました。大阪華子さん組長から素晴らしい講評がいただけて得しちゃいましたね。/ヤッチー
○切磋できる仲間がいるのは頼もしいことですね♪
2014年12月9日
91回 冬の鵙 立川の基地の跡地を冬の鵙

たちかわのきちのあとちをふゆのもず
2014年12月4日
90回 ジャケット 転寝に夫の匂ひのジャケツ掛く 

うたたねにつまのにおいのじゃけつかく
2014年11月27日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長へ、黄落の回で大阪華子さんのお気に入り「黄落や喪服に黒きハイヒール」が人選に入りました。華子さんおめでとうございます。華子さんはご自分のブログにポストの投句を発表前にアップしています。水曜日に私がこのお句に「喪服のとき黒以外の色の履物をはくかしら?喪服で黒って当たり前ではないでしょうか」とクレームをつけました。(ヤッチーがクレームをつける。音俳句にありましたね。組長、台所さん、とらをさん思いだしましたか)次に丸山清子さん、杉本とらをさんが私と同じ意見を私より優しくやんわりとコメントしました。次に写俳亭みのさんが華子さんを応援するコメントを載せました。そして発表の木曜日。私はこのお句が人選に載ったのを見て愕然としました。組長の選句眼についていけない私がなんと未熟であったかと自分を責めるしかありませんでした。華子さんは感覚の違いで選者の感性がすべてだとは思わないけどと慰めてくださいましたが。このように私達がポストに投句する句を皆さんで意見交換(私だけがクレームをつけてかきまわしている?)しているということを組長にお知らせしたくてコメント書かせていただきました。華子さんはじめ皆さんには了解無しでコメントを書いてしまいましたが事後承諾と言うことでお許しください。/ヤッチー

○忌憚の無い意見を交わせる仲間がいて、場があるということは実に羨ましいことです。さて、問題となっている句の中七下五のフレーズ「喪服に黒きハイヒール」だけを取り上げれば、ヤッチーさんの指摘の通りですが、この句は「喪服に黒きハイヒール」をクローズアップすることによって季語「黄落」を表現しようとしています。「黒き喪服のハイヒール」ではダメですが、「喪服に黒きハイヒール」と描写することによって、中空から降る「黄落」のひかり、「喪服」の人物、足元の「黒きハイヒール」が順に映像として再生されます。そして、その「黒きハイヒール」が踏む明るい落葉が再度認識されるという作りになっていることも、この句の工夫ですね。
2014年11月25日
89回 神無月 凶を引き泣こか笑をか神無月
添削句
凶を引き泣こか笑おか神無月

きょうをひきなこかわらおかかんなずき
なし 今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長に質問です。日本語がわからなくなってしまいました。「泣こうか笑おうか」を言いたいのですが「泣こか笑おか」と表現してよいのでしょうか。また「笑おか」は「笑をか」で「お」の古語「を」にしましたがこれもよくわかりません。お教えください。/ヤッチー

○「泣こか笑おか」は、「泣こうか笑おうか」を縮めた口語表現なのでしょう。話し言葉をそのまま俳句に取り込んだ表現でもあります。ならば、そのまま「泣こか笑おか」でいいんじゃないかな。「笑う」を、歴史的仮名遣いで書けば「笑ふ」ですから、「笑を」になることはあり得ないですね。この句の場合でしたら、現代仮名遣いで書いたのでよいのではないでしょうか。
2014年11月11日
88回 夜寒 閉店の音楽流れ夜寒かな 

へいてんのおんがくながれよざむかな
2014年11月6日
87回 黄落 黄落を掃く丁寧に丁寧に 

こうらくをはくていねいにていね
2014年10月30日
86回 釣り人の知り得てをりぬ鰡の旬

つりびとのしりえておりぬぼらのしゅん
2014年10月23日
85回 万年青の実 ドロップの赤は何味万年青の実

どろっぷのあかはなにあじおもとのみ
2014年10月16日
84回 後の月 手作りの茶巾絞りや後の月 

てづくりのちゃきんしぼりやのちのつき
2014年10月9日
83回 不知火 不知火や宇宙の謎の限りなし 

しらぬいやうちゅうのなぞのかぎりなし
2014年10月2日
82回 落とし水 映る物皆音となる落し水

うつるものみなおととなるおとしみず
2014年9月25日
81回 秋燕 神宮に飛ぶ秋燕とホームラン 

じんぐうにとぶしゅうえんとほーむらん
2014年9月18日
80回 名月 名月や初潮出産閉経期 

めいげつやしょちょうしゅっさんへいけいき
2014年9月11日
名月に先づはと懲りず酒を盛る  

めいげつにまずわとこりずさけをもる
2014年9月11日
79回 秋草 秋草の香りある物摘みにけり

あきくさのかおりあるものつみにけり
2014年9月4日
78回 猿の腰掛 下山者の話の端に猿の腰掛 

げざんしゃのはなしのはしにさるのこしかけ
2014年8月21日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長様スタッフの皆様いつもお世話様になっております。炎天の回で人選ありがとうございました。このときの句で「象の背(ぞうのせな)」と詠みましたがこの「せな」につての質問です。広辞苑で「せな」を引くと「背」の字になっていましたので「背」を使いましたが、インターネットで調べると<俳句の「せな」は「背ナ」と書く>とありました。また例句でも「背ナ」ばかりで「背」だけだと「せ」と詠ませる句になっていました。広辞苑にのっていたので間違いではないと思いますが「背ナ」としたほうがよいのでしょうか。お教えください。/ヤッチー
○私も確認しましたが、広辞苑にも載っている用法ですから、気になさる必要はないかと思います。勿論、「背ナ」という表記に拘る俳人もいらっしゃるとは思いますし、「背ナ」とすることで味わいのでる句もありますが、少なくともヤッチーさんの句の場合は、「象の背」の方が似合っていると思いますよ。
2014年8月19日
77回 法師蝉 猫八に鳴き真似さるる法師蝉 

ねこはちになきまねさるるほうしぜみ
2014年8月14日
76回 夏深し 書きかけの誤字の絵日記夏深し 

かきかけのごじのえにっきなつふかし
2014年8月7日
75回 炎天 炎天の匂ひ染込む象の背 

えんてんのにおいしみこむぞうのせな
2014年7月31日
74回 蓮の香の漂ふ地こそ浄土とや 

はすのかのただようちこそじょうどとや
2014年7月24日
眩暈して後光の見ゆる蓮の花 

めまいしてごこうのみゆるはすのはな
2014年7月24日
73回 青田 青田風悪阻の波の押し寄せり 

あおとかぜつわりのなみのおしよせり
2014年7月17日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)
◆「人」「地」「天」〜ベム・ベラ・ベロ俳人たちより
●蛍の回の人選地選ありがとうございました。巷では天・地の解釈が難しいといわれているようです。私も組長の講評を読まなければたぶん選句をしないかも知れないと思うことがあります。
私の句も、私が詠んだときよりも、組長の講評によりレベルアップしてくださっているように感じました。ありがとうございました。/ヤッチー

○地選以上の作品は、私自身が勉強させてもらってるな〜としみじみ思う句ばかりです。
佳きライバルたちが着々と増えてくる『俳句ポスト365』は、ワタクシ自身を鍛えてくれる大事な場となりつつあります。
2014年7月16日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●俳句の三行改行表示について丁寧な解答ありがとうございました。納得いたしました。/ヤッチー
○ヤッチーさんの真摯な向学心に、こちらも触発されております。
2014年7月15日
72回 川開 川開鍛ふる声の大向かふ 

かわびらききたえるこえのおおむこう
2014年7月10日
川開彼に内緒の鼻緒擦れ 

かわびらきかれにないしょのはなおずれ
2014年7月10日
71回 ソーダ水 ソーダ水弾けて消えて欲しき事 

そーだすいはじけてきえてほしきこと
2014年7月3日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長に質問です。「分かち書き」についてです。「俳句は五七五の間を空けず一行に書く」を私は貫いています。投句サイトで「分かち書き」で発表されるところには投句しないというこだわりも持っています。テレビの「HNK俳句」の入選句の表示方法が3行の改行表示になっています。私はこの表示を「分かち書き」ではないと思って時々投句をしています。でもこれも「分かち書き」というのでしたら、今後投句を控えようと思うほど「分かち書き」にこだわっている頑固ものです。3行の改行表示についてお教えください。/ヤッチー
○テレビの三行書きは、画面サイズの都合!というのが正直な理由だと思います。テレビの俳句番組にかかわる時は必ず「俳句は一行に五七五の間を空けずに書くのが正しい表記です」と主張しますが、多くの場合は「画面が四角いので」という理由で「三行にさせて下さい」と言ってきます。NHK『俳句王国』の場合は、担当者から「三行書きにするか、二行書きにするか」という確認がきます。そういう意味では、テレビ側の理由で多行書きにすることに、遠慮深い思いを持って下さってるのかなと思います。以前、NHK松山局の番組で、縦一行書きにこだわって、強引にやってもらったことがあります。画面の端に細長く載せたのですが、「視聴者から、見にくいという声も出ているので……」と担当者に泣きつかれ、憮然とした思いで三行書きを許容したこともありました。
 このネット俳壇の縦書きを泣く泣く許容しているのと同じで、テレビ俳壇の三行書きもシブシブ許容している、というところです。
2014年7月1日
70回 紫陽花 あぢさゐを雨女つれみにゆかむ

あじさいをあめおんなつれみにゆかん
人(193句) 2014年6月26日
69回 象の見る夢にもきつと蛍飛ぶ 

ぞうのみるゆめにもきっとほたるとぶ

地(7句)
こちらはまさにファンタジー。
あの大きな「象」はきっと「夢」を見るに違いない。
そして「象の見る夢」の中にも、今夜の見事な「蛍」の残像が飛び交うに違いない。
この発想の根底には、今宵の「蛍」に感動した作者の思いがたゆたっています。
2014年6月20日
蛍飛ぶ夜の営みの生臭き

ほたるとぶよのいとなみのなまぐさき
人(149句) 2014年6月19日
68回 植田 機内より見ゆる植田や日本国

きないよりみゆるうえたやにほんこく
人(172句) 2014年6月12日
67回 シャワー 虹色を描くハワイのシャワーかな 

にじいろをえがくはわいのしゃわーかな
並(192句) 2014年5月29日
66回 麦の波スペリオパイプの音を乗せ 

むぎのなみすぺりおぱいぷのおとをのせて
人(125句) 2014年5月22日
65回 守宮 握手してみたき守宮の五本指 

あくしゅしてみたきやもりのごほんゆび
並(175句) 2014年5月15日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長お世話様になっております。 4月23日のお便りコーナーで取り上げてくださった「蘆の角」の回の件ですが下記のメールが確かに届いておりました。 <俳句の投稿を受付いたしました【俳句ポスト365】2014年3月17日 月曜日 午前7:07From: "【自動送信】俳句ポスト365" > 組長もスタッフの方もご苦労様でございます。宜しくお願いいたします。組長に名前をおぼえていたたいて嬉しいかぎりです。あとは組長にお会いすることが沢山ある夢の中の一つです。一度チャンスを逃がしてしまっているので(第2回瀬戸内松山写真俳句の表彰式)夢を現実にすべく物の1番に位置しております。/ヤッチー
○ヤッチーさん、情報ありがとう!どういう状況で起こった問題なのか、探ってみますね。いつかお会いできる日を願っております♪
2014年5月14日
64回 籐椅子 あぶな絵の小道具となる籐の椅子

あぶなえのこどうぐとなるとうのいす
並(198句) 2014年5月8日
63回 ライラック プードルの解す仏語やライラック 

ぷーどるのかいすふつごやらいらっく
人(162句) 2014年5月1日
62回 蛍烏賊 蛍烏賊交へ故郷語る祖母 

ほたるいかまじえふるさとかたるそぼ
並(236句) 2014年4月24日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長お世話様になっております。私は俳句ポスト365の第1回から投句をしています。その投句は今まで並・人・地を選句していただき、またお便り&俳句道場にも載せていただいていましたが「蘆の角」で始めて没句になりました。実力がなかったのでしかたがありませんが、約200句の中に入らなかったことは相当なショックでした。投句が選句されることは嬉しいことです。毎回自分の名前が載っていることで胸をなでおろしていました。しかし没句になったことで没句を恐れていたたがが外れ何だか気持ちが楽になったような気がしています。そしてもっと大らかな気持ちで投句を楽しもうと思うようになりました。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。/ヤッチー
○ヤッチーさん、兼題「蘆の角」の時だったかどうか、覚えてないのですが、選句を終えて「あれ?今週はヤッチーさんの投句なかったな」と思ったことが一度ありました。その週、投句確認メールは届いておりましたでしょうか。投句確認メールが届いていて、選句フォームに反映されてないとすれば、また別な問題が発生している可能性もありますので、ご確認できるようでしたら、投句確認メールの有無を調べていただけますか?
2014年4月23日
61回 巣箱 通販の送料無料てふ巣箱 

つうはんのそうりょうむりょうというすばこ
並(169句) 2014年4月17日
巣箱から鳥語聴取る音G氏 

すばこからちょうごききとるおとじいし 
俳号+コメント
ヤッチー@音G氏とは知る人ぞ知るのサウンドデザイナーの岡田氏です
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)

●組長へお礼と質問です。「伊予柑」の回では並に選んでいただきありがとうございました。 しかし字を間違えて「伊予甘」で投句してしまいました。組長の広いお心で選句していただきましたがこのような場合どうしたらよいのでしょうか。選句がとりさげられる、字を書き名をして添削あるいは推敲したことにするなどお教えください。宜しくお願いいたします。/ヤッチー
○今回のような、明らかな変換ミスの場合は、それを含んでの選句にしています。変換ミスかどうかが確定しにくいものについては原句どおりで掲載(あるいはボツ)ということにしております。
2014年4月15日
60回 馬の子 馬の子や出産秘話のありさうな 

うまのこやしゅっさんひわのありそうな
並(句) 2014年4月10日
59回 蘆の角
58回 伊予柑 伊予甘の袋重たげ揺れ来る 

いよかんのふくろおもたげゆれきたる
並(199句) 2014年3月27日
57回 田楽 田楽のその薀蓄は耳にたこ

でんがくのそのうんちくはみみにたこ
人(95句) 2014年3月20日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)
◆愛媛マラソンとのコラボ企画!
に載せていただきました。
●組長へ 、「風光る」の回で「人」と「地」をいただきありがとうございました。愛媛マラソン応援企画で商品が出ると聞き欲につられていつもより沢山投句してしまいました。勿論組長のおっしゃっていたようにマラソンを詠みこみましたがそちらの句は「人」をいただき嬉しいのに商品はだめだ!とあきらめておりましたが、思いがけずマラソンを詠み込まない句に「地」をいただき大喜びしているのに欲に目がくらんでガッカリしている自分もいるのが何とも未練がましく情けない有様です。/ヤッチー
○年に一度ぐらいかな、今回のようなコラボ企画が入ってくる予定です。是非とも、賞品をゲットすべく虎視眈々と実力をつけておいて下さい!
2014年3月19日
56回 春菊 春菊の咲きて歌舞伎座桟敷席

しゅんぎくのさきてかぶきざさじきせき
人(136句) 2014年3月13日
55回 ぶらんこ 酔ひどれの夜のぶらんこ酔ひ覚まし

よいどれのよるのぶらんこよいざまし
人(123句) 2014年3月6日
54回 風光る 浄化され戻る山彦風光る

じょうかされもどるやまびこかぜひかる

地(9句)
前半の叙述はさらに推敲の余地があるかとは思いますが、「山彦」は「浄化」されて戻ってくるのだよという発想が素敵です。
自分の声なのに自分の声じゃないみたいな感覚の理由を、率直に解説してもらったような気分です。
「風光る」は、風の印象のみを述べた、映像を持たない季語ですが、音という要素と相性が良い季語なのだということを、今週は再認識しました。
「光る」という動詞の視覚的な印象が、逆に聴覚の要素を際立ててくれるのだなあと、実感した一週間でした。
2014年2月28日
記録へと向かふ走者や風光る

きろくえとむかうそうしゃやかぜひかる
人(138句) 2014年2月27日
53回 紅梅 紅梅の覗く格子戸置屋らし 

こうばいののぞくこうしどおきやらし
人(133句) 2014年2月20日
紅梅や私立のおさげ髪 

こうばいやわたくしりつのおさげがみ
並(152句)
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)
◆「人」「地」「天」〜ベム・ベラ・ベロ俳人たちよりに載せていただきました。
●葉牡丹の回での「地」ありがとうございました。
木曜日に名前がなく今回は没と落ち込みそうになりましたが「天地想像」して金曜日を待ったかいがありました。
でももし金曜日にも名前がなかったら「夢みたっていいじゃない…」(by鼓吟さん)とつぶやくことも想像していました。
なにはともあれ「地」に舞い上がっております。ありがとうございました。/ヤッチー

○「地」に入るということは、皆さん、ベラ俳人になられたということですね〜動詞でいうと、ベラっちゃったのか〜(笑)。
佳い句に出会うと、その句の選評が書きたくなります。
私にとっても楽しい仕事です。
2014年2月19日
52回 二月 すらすらと九九を唱へつ二月来る

すらすらとくくをとなえつにがつくる
並(100句) 2014年2月13日
今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)
◆組長へ のコーナーに載せていただきました。

●霜の回の俳句道場で始めて添削していただきました。並にも入らなかったのは残念ですが添削していただいてちょっと得した気分になりました。ありがとうございました。/ヤッチー
○得した気分になっていただけて、嬉しいよ〜ヤッチーさん♪
2014年2月12日
51回 節分 節分の軋む雨戸を硬く閉め

せつぶんのきしむあまどをかたくしめ
人(107句) 2014年2月6日
節分の鬼にされたる大男

せつぶんのおににされたるおおおとこ
なし 今週のお便り&俳句道場
■今週のお便り(●が皆さんからの投稿、○が組長コメント)
◆兼題「○○」に寄せて に載せていただきました。


●娘の旦那さんはアメリカ人で身長185センチ体重100kgです。
日本語学校で豆まきをすることになり旦那さんは鬼になって幼稚園組に乗り込むそうです。
さぞ子供たちは怖がることでしょう。
頼まれての鬼ですがまんざらでもなさそうなので
「節分の鬼になりたる大男」こちらでしょうか。/ヤッチー


○学校や幼稚園には、こんな陰の苦労があるのか(笑)。
2014年2月5日
50回 葉牡丹 葉牡丹の並ぶ景品交換所

はぼたんのならぶけいひんこうかんじょ

地(10句)
「葉牡丹」がどんな場所にあるかと発想した句もたくさん届きましたが、その中でこの句、妙な現場証明があるみたいで(笑)、気に入ってしまいました。
 「景品交換所」はパチンコ屋のすぐ外とか裏とかにありますよね。手にした景品を換金する場所は少々胡散臭くもありますが、そんな雰囲気を少しでも払拭するために「葉牡丹」のプランターかなんかが申し訳程度に並べられている、というこのアルアル感!そうか、「葉牡丹」の光景にはこんな場所もあったか!と、これまた別な意味で膝を打った一句でした。
2014年1月31日
49回 耳澄まし霜の生まるる声を聞く

みみすまししものうまるるこえをきく
人(98句) 2014年1月23日
霜の花咲て日の出に散り急ぐ

しものはなさいてひのでにちりいそぐ
なし 今週のお便り&俳句道場
◆添削という名の杖〜♪

○「日の出に」の「に」が散文臭くなってる原因です。ここもこの助詞の力を借りましょう。助詞「を」には、経過する時間や場所を表す働きがあります。
  【添削例】  霜の花咲て日の出を散り急ぐ
○ついでにもう一つ。「咲て」は、正しくは「咲きて」あるいは(音便を発生させると)「咲いて」となります。どちらを選ぶかで、印象が少し変わりますね。
  【添削例】  霜の花咲きて日の出を散り急ぐ
  【添削例】  霜の花咲いて日の出を散り急ぐ
2014年1月21日
48回 竹馬 優等生竹馬だけは苦手です人

ゆうとうせいたけうまだけはにがてです
人(65句) 2014年1月16日
47回 仏の座 新年 酔ひ覚めのセブンイレブン仏の座

酔いざめのせぶんいれぶんふぉとけのざ
並(147句) 2014年1月9日
46回 橙にさいころの角当たりけり

だいだいにさいころのかどあたりけり
人(87句) 2013年12月26日
45回 枯野 枯野より子の泣き声か空耳か 

かれのよりこのなきごえかそらみみか
人(82句) 2013年12月19日
44回 室咲 室咲や手掛ける人に委ねけり

むろばなやてがけるひとにゆだねけり
並(109句) 2013年12月12日
43回 霜柱 霜柱朝の薬を白湯で飲む

しもばしらあさのくすりをさゆでのむ
人(89句) 2013年12月5日
42回 蓮根掘る 泥水に匂ひのありて蓮根掘る

どろみずににおいのありてはすねほる
人(77句) 2013年11月28日
41回 枯葎 グランドのフェンス只今枯葎 

ぐらんどのふぇんすただいまかれむぐら
並(51句) 2013年11月21日
今週のお便り&俳句道場
私、前に森村誠一の写真俳句コミュニティーに在籍していました(過去形)。そのときのお仲間のお名前を最近俳句ポストで目にするようになりました。先日の掲示板でグループ展のお知らせがありました。代表者が写真俳句にいらした(過去形)倉田有希さんで俳句ポストのゆきるさんであることがわかりました。グループ展の参加者の方は俳句のレベルが相当高いと私は感じています。その方たちが俳句ポストにも参加されているようです。現在俳句ポストに参加されている方達もクループ展のメンバーに勝るとも劣らない事は確かです。なのでなおさら自分の入賞の道は狭く遠のいていくようです。しかし良い句の鑑賞が出来き、組長の俳句道場及び天・地の講評で俳句の勉強が出来る俳句ポストは素晴らしい所と感謝しております。/ヤッチー
○つながる仲間、広がる仲間。いつか、そんな仲間たちと会える日を作りたいものです。「俳句ポスト365」句会ライブ!やりたいね〜♪
2013年11月20日
40回 初時雨 コンビニの店内カフェや初時雨

こんびにのてんないかふぇやはつしぐれ
並(137句) 2013年11月14日
39回 鵯鳴くやイヤホン合はぬ耳の穴

ひよなくやいやほんあわぬみみのあな
人(82句) 2013年11月7日
38回 グロテスク様式なれや鵙の贄 

ぐろてすくようしきなれやもずのにえ
並(96句) 2013年10月31日
37回 木犀 木犀の血気盛んと言ふ匂ひ

もくせいのけっきさかんというにおい
人(104句) 2013年10月24日
36回 夜食 スマイルと手の平に載る夜食かな

すまいるとてのひらにのるやしょくかな
並(104句) 2013年10月17日
35回 秋祭 担ぎ手は夜勤明けです秋祭

かつぎてはやきんあけですあきまつり
人(87句) 2013年10月10日
34回 秋高し 秋高し転がり落つる茹で玉子

あきたかしこえおがりおつるゆでたまご
人(88句) 2913年10月3日
なぞなぞのオシリとオナラ秋高し

なぞなぞのおしりよおならあきたかし
なし 今週のお便り&俳句道場
◆未来を担う子どもたち

私事で相済みません。孫娘(7歳)が今なぞなぞに夢中です。そのなかで下ネタの問題や答えが大好きで問題が解けない私を困らせて喜んでいます。ちなみにこんな問題です。「るがおならをしているところはどこ?」「おしりのちかくにあるもんはなに?」季語と離れすぎましたかね。/ヤッチー
なぞなぞ遊びも、有効な「言葉育て」だね。
2013年10月2日
33回 秋分 秋分や二分の一に割れぬ物

しゅうぶんやにぶんのいちにわれぬもの
なし 今週のお便り&俳句道場
◆発想をどう広げるのか?

敢えて具体的なものを提示しない方向にもっていこうと意図していますね。
2013年9月24日
32回 秋の雷 秋の雷キルト刺す針指を刺す

あきのらいきるとさすはりゆびをさす
人(83句) 2013年9月19日
31回 椎茸 干茸の出汁お日様が溶けにけり

ほしたけのだしおひさまがとけにけり
人(66句) 2013年9月12日
30回 飛蝗 保護色の草に飛び込む飛蝗かな

ほごしょくのくさにとびこむばったかな
並(98句) 2013年9月5日
よしあきくん一期一会の一句!
よしあきくんへ。兜の○は単なるデザインと思っていましたがれっきとした蛇の目の家紋でしたか。ちなみに我家の家紋も蛇の目です。先日息子が結婚式を挙げそのとき久しぶりで蛇の目の家紋の紋付を息子が着ました。よしあきくんとは先祖でつながっているのでしょうか。奇遇ですね!/ヤッチー
○これはこれは、ヤッチー殿、御同族でござりましたか。となれば、もう赤の他人ではござりませぬ。是非とも、息子殿ご家族ご一同、「蛇の目」家紋の紋付きにて、松山城に新婚旅行に来ていただき、同族の契りを交わそうではござらぬかッ!(ま、まさか…いきなりの血判?)
2013年9月2日
29回 鯊釣 鯊釣るやスカイツリーの眺め佳し

はぜつるやすかいつりーのながめよし
並(96句) 2013年8月29日
ただちょっと気をつけておかなくてはいけないことがあります。それに気づいてくれてるのが、ヤッチーさんのお便り。
●「鯊釣」またも未経験の季語です。脳内吟行俳句になりました。歳時記には「鯊釣」は人事に「鯊」は動物に分類されていました。鯊がつけば全部一緒と思っていましたが、歳時記は勉強になります。/ヤッチー
 歳時記は【時候・天文・地理・人事・動物・植物】のジャンルに分かれていますね。季語「鯊」は魚として動物のジャンルに入りますが、季語「鯊釣」は釣りを楽しむことに主眼がおかれますので人事のジャンルに入るというわけです。
 今回の兼題はあくまでも人事の「鯊釣」ですから、そこを考慮に入れて一句を練る必要があります。動物の「鯊」とは違う「鯊釣」の一句を期待しての今週であります
2013年8月26日
28回 桐一葉 桐一葉品定めして拾ひけり

きりひとはしなさだめしてひろいけり
人(76句) 2013年8月22日
今週のお便り&俳句道場より
◆こんなお返事来てます!

組長様 「校章の日々草」の件についてご丁寧な解説をしていただきありがとうございました。重箱の隅をつつくような質問をしてしまい反省をしていますが気になったことは黙っていられない性分で相すみません。今回の件で組長がおっしゃった<作り手としての私は有季定型を基本とする俳人ですが、読み手としての私は「佳い詩になっていればよい」という立場をとっています。>は無季語の件でも同じ事をおっしゃっていたのを思い出し納得いたしました。 ただ組長の<作り手としての私は、「校章の桜」「書割の菖蒲」「絵本の西瓜」のような季語の使い方は極力避けます>というお言葉に救われたような気がいたしました。 組長から<ヤッチーさんは、どの立場で季語を考えますか?>と問われました。 私はインターネットの俳句教室で学んでいますが、そこでは有季定型を基本に学んでいます。 現在は作り手としても読み手としても全面的に歳時記の季語に頼っております。今後もこの姿勢は変わらないと今は思っています。/ヤッチー

 ヤッチーさんと真剣な文通してるみたいで、楽しいですね!
 二十年前、私は「有季定型で作りたくない人は、一行詩という別の大陸に旅立てばいい!」と言い切っておりました。なんぞの原稿にそんなこと書いて、気炎を吐いたこともあります。いやはや、赤面ものです。
 ヤッチーさんの文面の「今後もこの姿勢は変わらないと今は思っています。」の「今は」の一語がいいなあ〜。今の自分、変わっていく自分を客観的に受け止めてこその俳人。カッコイイと思います。十年後の私、二十年後の私は、どんな作品を読み解ける自分になっているだろう?!そんな期待を楽しむことも、俳句の喜びですね。

2013年8月20日
27回 オクラ 刻まれて星を生み出すオクラかな

きざまれてほしをうみだすおくらかな
並(96) 2013年8月14日
26回 朝凪 朝凪や呼吸を止めるレントゲン

あさなぎやこきゅうをとめるれんとげん
並(101句) 2013年8月8日

今週のお便り&俳句道場より
◆質問きてます!

組長に質問です。 日々草の回で地のお句に「校章の日々草は輝きぬ」がありましたが、同じように「校章の桜」「書割の菖蒲」「絵本の西瓜」なども 季語がなりたつのでしょうか。お教えください。/ヤッチー

 はい、お答えします。
 先週の兼題「金魚」の週でも、それに近い話がでておりましたね。絵柄として描かれている「金魚」は季語なのか、という問題です。先週も解説しましたが、「絵に描かれた『金魚』は季語として機能しない」と断ずる俳人もいれば、「絵であっても季感があればいい」と考える俳人もいます。また「季語であろうがなかろうが、佳い詩になってればいい」という主義主張を持つ俳人もいます。今回のヤッチーさんの質問も、この三択のどれを採用するか、という問題になってきます。
 作り手としての私は有季定型を基本とする俳人ですが、読み手としての私は「佳い詩になっていればよい」という立場をとっています。なぜなら、「絵に描かれた『金魚』は季語として機能しない」という理由だけで、佳句を切り捨てるのは実に勿体ないことだと思うからです。実際、無季の句にも素晴らしい作品は沢山ありますものね。

  校章の日々草は輝きぬ

 確かにこの「日々草」は「校章」に刻印されたもので、本物の「日々草」ではありません。が、一句の背後には、よく手入れされた校内の花壇も見えてます。そこには、校章の花「日々草」が植えられ、日々の花を咲かせているに違いありません。校章となった「日々草」にまつわる校訓もあり、日々の教育活動の中でも、「日々草」に象徴される精神が培われているに違いないと、想像させられます。
 ご質問の「校章の桜」「書割の菖蒲」「絵本の西瓜」は季語として成り立つのかについては、この詩語の断片だけではお答えしかねます。一句の中で、それぞれの季語がどのような光を発しているか、「虚」の姿を借りて「実」たる姿をどう体現しているか、そこを見せていただかねば、安易な判断はできません。
 作り手としての私は、「校章の桜」「書割の菖蒲」「絵本の西瓜」のような季語の使い方は極力避けますが、読み手としての私はそのような使い方をした佳句に出会ったら、何の迷いもなく喜んで受け入れる、ということです。
 ヤッチーさんは、どの立場で季語を考えますか?その選択もまた、一人の俳人として、自らが選び取るべき問題であります。

2013年8月6日
25回 金魚 金魚の死あつけらかんと訪れり

きんぎょのしあっけらかんとおとずれり
人(70句) 2013年7月29日
24回 日々草 交替の食事当番日々草

こうたいのしょくじとうばんにちにちそう
人(73句) 2013年7月22日
23回 夏野 二車両のスイス鉄道大夏野

にしゃりょうのすいすてつどうおおなつの
並(113) 2013年7月16日
22回 合歓の花 合歓の花皇后様のピアニッシモ

ねむのはなこうごうさまのぴあにっしも
人(98) 2013年7月8日
21回 夏空 夏空をチアリーダーの宙返り

なつぞらをちありーだーのちゅうがえり
人(115句) 俳号+コメント
ヤッチー@チアリーダーの笑顔は半端ではありません。

2013年 7月 1日
「よしあきくん一期一会の一句!」より
●よしあきくんに差し出がましいと思いましたが一言。「我が心に怒濤の感動を呼び起こす一期一会の一句」を楽しく拝見しています。
が、組長がたびたび「俳句の正しい表記とは」で、「俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。ネット俳壇の横書きは、泣く泣く許容しております。俳句の修行の第一歩は、正しい表記から〜♪」とおっしゃっているのにもかかわらず、五七五の間を空けた俳句を選ぶのは勉強不足ではありませんか?/ヤッチー

○ヤ、ヤッチー殿……拙者、大絶句でござります。毎週「俳句道場」も読んでいながら、なんたる不明にして大馬鹿野郎。今飲んでる湯飲みの茶の中に身投げしたいほど恥じ入ってござります。今後このようなことがないよう、心して皆さま方の俳句に向かい合っていく所存。ご忠告、肝に銘じましてござるッ!(@赤面赤汗)
2013年 6月 28日
20回 夏木立 夏木立不意に口付けされにけり

なつこだちふいにくちづけされにけり
並(98句) 2013年6月24日
19回 初めての三枚下ろし鯵を買ふ

はじめてのさんまいおろしあじをかう
人(48句) 俳号+コメント
ヤッチー@昔昔の新婚時代の話。
2013年6月17日
18回 瓜冷すバケツに野菜放り込む

うりひやすばけつにやさいほうりこむ
人(65句) 2013年6月10日
客来たら水を流して瓜冷す

きゃくきたらみずをながしてうりひやす
なし 今週のお便り&俳句道場より
●こうやると良く冷えるよ!

「子供のころお客さんのために早く冷えるようにバケツに入れた瓜に水道水を流して冷やしました。一茶の『人来たら蛙となれよ冷し瓜』の『人来たら』の部分を類句しました。/ヤッチー」
←ははは!一茶のこの句も愉快、ヤッチーさんの「類句しました」も愉快。
2013年6月10日
17回 鵜の篝 たまさかの逢瀬狂ほし鵜の篝

たまさかのおうせくるおしうのかがり
並(84句) 2013年6月3日
今週のお便り&俳句道場より
「済みません『鵜飼』難しいです。経験がないのでネットで見て想像するほかありません。というより妄想でしょうか。/ヤッチー」
」←ワタクシは『絶滅寸前季語辞典』『絶滅危急季語辞典』ってのを書きましたが、見たことも聞いたこともない季語ばかりでした。己の脳内吟行能力が、結構鍛えられたかもな(笑)。ネット動画吟行は困った時の虎の巻。が、やっぱホンモノ見たくなるのも俳人的好奇心〜♪
今週のお便り&俳句道場より
●鵜飼さん、知ってます?!

「子供のころ鵜飼さんという名字の背の高い友達がいました。今はどうしているのやら。/ヤッチー」←「鵜飼さん」って名字、なんの違和感もなかったのに、兼題に「鵜飼」と出てみると、ちょっと面白い、ふふ。
2013年6月2日
16回 蜘蛛 朝蜘蛛は逃がしておやり良い子だね

あさぐもはにがしておやりいいこだね

夜の蜘蛛運の悪さを嘆きをり

よるのくもうんのわるさをなげきおり
なし 今週のお便り&俳句道場より
●蜘蛛を殺しちゃダメ!
「朝の蜘蛛は縁起が良いので殺さぬようにと聞かされました。夜に見た蜘蛛は縁起が悪いので殺せと聞かされました。/ヤッチー」←朝出会うか、夜出会うかが、蜘蛛の運命の分かれ道?!
2013年5月27日
蜘蛛の糸龍之介よりトビー好き

くものいとりゅうのすけよりとびーずき
なし 今週のお便り&俳句道場より
●蜘蛛といえば「芥川龍之介」
「蜘蛛の糸といえば私は芥川龍之介の短編小説か映画のスパイダーマンです。もちろん映画のほうが好き!トビー・マグワイアが可愛い!/ヤッチー」←ふふふ、一瞬ヤッチーさんのボーイフレンドの名前を並べたのかと思ったよ(笑)。
2013年5月27日
15回 夏蜜柑 夏蜜柑硬し今更憎いなど

なつみかんかたしいまさらにくいなど
なし 今週のお便り&俳句道場より
類句しました?!
「夏蜜柑と言えば私は鈴木しづ子の「夏みかん酸つぱしいまさら純潔など」です。類句しました。/ヤッチー」
「夏蜜柑」という季語に挑む時、そこに立ちはだかるのがすでにある名句です。
「ギャ句」の原句としても登場していました鈴木しづ子「夏みかん酢つぱしいまさら純潔など」から離れられなくて、困った人も多かったようです。
「類句しました」ヤッチーさんの言葉にも、ささやかな苦悩が滲みます。
2013年5月20日
じやんけんのつづくあいこや夏蜜柑

じゃんけんのつづくあいこやなつみかん
人(54句) 2013年5月20日
14回 筍飯 筍飯堂々と盛るおこげかな

たけのこめしどうどうともるおこげかな
並(89句) 2013年5月13日
13回 鯉幟 からっぽは気楽なものよこいのぼり

からっぽはきらくなものよこいのぼり
人(44句) 2013年5月7日
12回 階段を上り覗き見蚕棚

かいだんをのぼりのぞきみかいこだな
並(6) 2013年4月30日
11回 種蒔 種蒔やまだ衰へぬ上腕筋

たねまきやまだおとろえぬじょうわんきん
並(66句) 2013年4月22日
10回 頬白 頬白や一筆認むエアメール

ほおじろやいっぴつしたたむえあめーる
並(63句) 2013年4月15日
9回 芹の香を愛でる齢になりにけり

せりのかをめでるよわいになりにけり
並(57句) 2013年4月8日
今週のお便り&俳句道場より
☆今週のお便り 
●『俳句ポスト365』へのご感想、ご要望、ご質問 
「第二回瀬戸内・松山写真俳句コンテスト」授賞式にてのコメントありがとうございました。8日にスタッフから入選の電話をいただきました。私は興奮をして舞い上がってしまいました。「後日最優秀賞が決まったら電話を入れますが無かったら他の方に決まったということでご承知ください」「授賞式が16日にありますが出席できますか?」とのお誘いがありましたが、東京に住んでいる私は舞い上がったまま即座に欠席と返事をしてしまいました。その後先生の「夏井いつきの100年俳句日記」ブログで授賞式のコメントと先生はじめスタッフの写真を拝見しました。その時点で電話も無く何方かが最優秀賞になったのだと思っていました。18日スタッフから「最優秀賞になりましたよ」との電話が入りびっくりするやらうれしいやらで電話口の私はまたまた興奮して声が上ずっていました。電話を切って落着いたとき「あ〜授賞式に行けばよかった」と後悔しました。先生もおっしゃっていますがいつか先生にお会いするチャンスがあることを楽しみに俳句を頑張って詠んでいきます。ありがとうございました。/ヤッチー」←実は、このコンテストでヤッチーさん、神楽坂リンダさん、亜桜みかりさん、魔心地さんたちと一緒に、レイさんも入賞なさっていたことが分かりました。私のブログに書き込んで下さって、初めて知りました。レイさんは福井県にお住まいのようです。なんせ俳号のお付き合い。本名が分からないものですから、失礼しました。いつか、愛媛県外の皆さんとも、交流できる日が来ますよう、楽しみにしています〜♪
2013年4月7日
8回 万愚節 万愚節魚を綺麗に食べる人

ばんぐせつさかなをきれいにたべるひと

地(10句)
「魚を綺麗に食べる人」って、ほんとに半端ないぐらい骨格だけを残しますよね。それを箸ではなく、ナイフとフォークでやってのける人に出会うと、もう驚嘆です!
 「魚を綺麗に食べる人」というフレーズに「万愚節」を取り合わせたのは…確かに天晴れだけど、ちと呆れる?!ってニュアンスではないかなと読んだのですが、作者の意図はどうだったでしょう?
 「フランス語では「4月の魚」というらしい」とのコメントが添えられていたので、調べてみました。フランス人の洒落っ気と反骨に溢れた面白いエピソード。また一つ物知りになったな〜ヤッチーさん、ありがとう〜♪
2013年4月1日
7回 春愁 断捨離と言へど春愁持て余す

だんしゃりといえどしゅんしゅうもてあます
なし 今週のお便り&俳句道場より
第二回瀬戸内・松山写真俳句コンテスト〜受賞おめでとう! 
断捨離と言へど春愁持て余す ヤッチー
 「いらない物が多すぎます」とつぶやくヤッチーさんですが、
実は先週日曜日、松山市道後・子規記念博物館で行われた「第二回瀬戸内・松山写真俳句コンテスト」授賞式にて、
ヤッチーさんの作品が課題句部門最優秀賞に選ばれました。
ヤッチーさんは欠席だったので残念ながらお会いすることは叶いませんでしたが、いつかそのチャンスもあるでしょう〜。
2013年3月20日
6回 鳥帰る 鳥帰る旅行雑誌の隅を折る

とりかえるりょこうざっしのすみをおる
人(24句) 2013年3月15日
5回 春の月 羊羹を厚く切り分け春の月

ようかんをあつくきりわけはるのつき
並(74句) 2013年3月8日
4回 日永 日永さや大胸筋の仁王像

ひながさやだいきょうきんのにおうぞう
人(32句) 2013 年3月1日
3回 金縷梅 金縷梅や笑いの壺に嵌りをり

掲載後訂正
金縷梅や笑ひの壺に嵌りをり

まんさくやわらいのつぼにはまりおり
並(53句) 2013年2月22日
2回 春めく 飴切りの音一段と春めける

あめきりのおといちだんとはるめける
人(47句) 2013年2月15日
1回 椿 手折られて恋の椿となりにけり

たおられてこいのつばきとなりにけり
人(34句) 2013年2月8日