ふらんす堂・なづな集→花実集

選者・石田郷子(158号まで・なづな集)
選者・高田正子(159号から・花実集)

ふらんす堂通信・2000円(1年4回)

2016年4月30日(148号)〜

俳号・村上ヤチ代

発行日 評価 俳句 季語 季節 添削句orコメント
2019.10 162号 なし 老人の住む町となり水澄めり

ろうじんのすむまちとなりみずすめり
水済む
なし 天の川臨時列車の停車駅

あまのがわりんじれっしゃのていしゃえき
天の川
161号 投句なし
2019.4 160号 特選 黄の花でなけれなならぬフリージア

きのはなでなければならぬふりーじあ
フリージア この句も思い切った表現です。
黄色がポピュラーですが白や赤、紫などもあるようです。
が、やはり黄色でないとフリージアである気がしない、にも私も賛成。
もちろん反対意見があってもよいでしょう。
2019.2.2 159号 なし 朝練の発声清し息白し

あされんのはっせいきよしいきしろし
息白し
なし 枯野より浮き上がりたる熱気球

かれのよりうきあがりたるねつききゅう
枯野
なし 前掛けで磨かれてをる冬林檎

まえかけでみががれてをるふゆりんご
冬林檎
2018.10.31 158号 なし 曼殊沙華産声包む白布かな

まんじゅしゃげいぶごえつつむはくふかな
曼殊沙華 産声を包む白布や曼殊沙華

うぶごえをつつむはくふやまんじゅしゃげ
なし 隣との垣緩くして花茗荷

となりとのかかきゆるくしてはなみょうが
花茗荷
2018.7.31 157号 なし 父の日の神父も僧も父なれや

ちちのひのしんぷもそうもちちなれや
父の日 父の日の神父も僧も父ならむ

ちちのひのしんおうもそうもちちならむ
なし 小満の香を放ちたる草木かな

しょうまんのかをはなちたるくさきかな
小満
2018.4.30 156号 なし 天気図に桜前線現るる

てんきずにさくらぜんせんあらわるる
なし 早春のお稽古バッグにバイエル

そうしゅんのおけいこばっぐにぱいえる
早春
2018.1.31 155号 なし むささびの飛んで闇夜を動かしぬ

むささびのとんでやみよをうごかしぬ
むささび
なし 山茶花の垣根の際を散り敷きぬ

さざんかのかきねのきわをちりしきぬ
山茶花
2017.10.31 154号 なし ガラポンの列に並ぶや菊日和

がらぽんにれつにならぶやきくびより
菊日和
なし 新蕎麦や遅刻者の無き銀の鈴

しんそばやちこくしゃのなきぎんのすず
新蕎麦
2017.7.31 153号 なし 草取に雑草の名を教はりぬ

くさとりにざっそうのなをおそわりぬ
草取
なし 生足てふ素足なりけり眩しかり

なまあしというすあしなりけりまぶしかり
素足
2017.4.30 152号 なし クレープの香り漂ふ雛祭

くれーぷのかおりただようひなまつり
雛祭
なし 遮断機の撥ねてその先春の月

しゃだんきのはねてそのさきはるのつき
春の月
2017.1.31 151号 なし 砂に描く相合傘を浜千鳥

すなにかくあいあいがさをはまちどり
浜千鳥
なし 歌舞伎座の名物と言ふ鯛焼屋

かぶきざのめいぶつというたいやきや
鯛焼屋
2016.10.31 150号 なし 仏壇のほのと明るむ黄の小菊

ぶつだんのほのとあかるむきのこぎく
なし 蜩や未完成てふログハウス

ひぐらしやみかんせいというろぐはうす
2016.7.31 149号 なし 網戸より漉されし風の入りにけり

あみどよりこされしかぜのいりにけり
網戸
なし 活けられて窮屈さうな濃紫陽花

いけられてきゅうくつそうなこあじさい
濃紫陽花
2016.4.30 148号 なし 手伝はぬ夫に急かさる雛納め

てつだわぬつまにせかさるひなおさめ
雛納め 手伝はぬ夫が急かしぬ雛納め

てつだわぬつまがせかしぬひなおさめ
なし 磯遊び屈む臀部の少し濡れ

いそあそびかがむでんぶのすこしぬれ
磯遊び 磯遊び臀を濡らしてゐたりけり

いそあそびしりをぬらしていたりけり