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案内役 蜂谷 一人

鳥居真理子

とりいまりこ

季語 季節
福助のお辞儀 福助のお辞儀は永遠に雪がふる

ふくすけのおじぎはとわにゆきがふる
磯巾着ひらく 磯巾着 天井にちちはは磯巾着ひらく

てんじょうにちちははいそぎんちゃくひらく
鶴眠るころか 鶴眠るころか燭より泪

つるねむりころかろうそくよりなみだ
母とひう字 陽炎 陽炎や母といふ字に水平線

かげろうやははというじにすいへいせん
生きる途中 土筆 生きる途中土筆を摘んでゐる途中

いきるとちゅうつくしをつんでいるとちゅう
吹雪月ふぶく 吹雪月 吹雪月ふぶく姉さま空へ空へ

ふぶきづきふぶくあねさまそらへそらへ
椿一輪 椿 椿一輪からだからああ、出てゆかぬ

つばきいちりんからだからああでてゆかぬ
吹雪く木 吹雪 吹雪く木やここは暗室誰もくるな

ふぶくきやここはあんしつだれもくるな
パセリに塩 パセリ 産んでしまつた淋しさパセリに塩

うんでしまったさびしさぱせりにしお
水を縫う 鳥の死や花となるまで水を縫う

とりのしやはなとなるまでみずをぬう


季語 季節 作者
陽炎 陽炎や道灌殿の物見城

かげろうやどうかんどののものみしろ
一茶
ほっと月がある東京に来てゐる

ほっとつきがあるとうきょうにきている
山頭火