YouTube版ハイクロペディア
案内役 蜂谷 一人
井上 泰至
いのうえ やすし
(日本文学研究者)
題名 | 季語 | 季節 | 句 |
1 安易な「かな」を避ける方法(芭蕉) | 薺 | 新年 | よく見れば薺花咲く垣根かな よくみればなずなはなさくかきねかな |
2 「や」の本質を知る (蕪村) | 菜の花 | 春 | 菜の花や月は東に日は西に なのはなやつきはひがしにひはにしに |
3 一句の切れの強弱(芭蕉) | 蛙 | 春 | 古池や蛙飛込む水の音 ふるいけやかわずとびこむみずのおと |
4 「や」「けり」は使いよう(中村草田男) | 雪 | 冬 | 降る雪や明治は遠くなりにけり ふるゆきやめいじはとおくなりにけり |
5 「の」のリフレインの凄み(高浜虚子) | 遅日 | 春 | この庭の遅日の石のいつまでも このにわのちじつのいしのいつまでも |
6 散文化しない「て」(芭蕉) | 鵜船 | 夏 | 面白てやがてかなしき鵜船かな おもしろうてやがてかなしきうぶねかな |
7 「に」の魔術師(蕪村) | 春の夜 | 春 | 春の夜や宵あけぼのの其中に はるのよやよいあけぼののそのなかに |
8 「は」から現代俳句は始まる(日野草城) | 春の灯 | 春 | 枕辺の春の灯は妻が消しぬ まくらべのはるのともしはめがけしぬ |
9 「も」は並列た゛けし゛ゃない(高浜虚子) | 花 | 春 | 咲き満ちてこぼるる花もなかりけり さきみちてこぼるるはなもまかりけり |
10 「たり」か「なり」か迷ったら(高浜虚子・星野立子) | 鴨 | 冬 | 鴨の中の一つの鴨を見てゐたり かものなかのひちつのかもをみていたり |
炎天 | 夏 | 旅なればこの炎天も歩くなり たびななればこのえんてんもあるくなり |