一句一遊
撰者 夏井いつき
2018年7月〜2020年9月
一句一遊「虎の巻」
選者 家藤正人
2019年9月
俳号・東京むすめヤッチー
番号 | 日付 | 評価 | 俳句 | 兼題(季語) | 兼題(文字) | 季語 | 季節 | コメント |
25 | 2.9.28 | 月曜日 | 馬市やパドック回る日も近し おまいちやぱどっくまわるひもちかし |
馬市 | 秋 | まさに競馬でしょこれは | ||
24 | 2.8.25 | 火曜日 | Skypeの飲み会にスマ映し出す すかいぷののみかいにすまうつしだす |
スマ | 夏 | ちょっとあんただけ、なんでそんな上等な魚食ってんの、みたいな感じでしょうかね。 | ||
23 | 2.7.15 | 水曜日 | 鋭角に弾く水面や小鯵刺 鋭角にはじくみなもやこあじさし |
鯵刺 | 夏 | 小さい方のやつがコアジサシですね。 | ||
22 | 2.6.2 | 火曜日 | 腹当に母の両の手のぬくもり はらあてにははのりょうのてのぬくもり |
腹当 | 夏 | みんな母の手はあったかいんだよ。 | ||
21 | 2.4.21 | 火曜日 | 子を産んでようずに頭痛持ちとなり こをうんでようずにずつうもちとなり |
ようず | 春 | ああ何かこう体の変化ってね、こういう風に反応します。 | ||
20 | 2.3.19 | 木曜日 | 農機具に油差しをり事始 のうきぐにあぶらさしおりことはじめ |
事始 | 春 | 油を注す人がいればこんな人もおります。 | ||
19 | 2.2.11 | 火曜日 | 寒明けやコケコッコーと卵売り かんあけやこけこっこーとたまごうり |
寒明け | 春 | 卵売りがコケコッコーって売りにくるわけ? |
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18 | 2.1.7 | 火曜日 | 家康は我慢の人ぞ時鳥 いえやすはがまんのひとぞほととぎす |
康(家康) | 時鳥 | 春 | 家康ネタきますよ、これー。 | |
17 | 1.12.3 | 火曜日 | 切岸をあれはおそらく羚羊ぞ きりぎしをあれはおそらくかもしかぞ |
羚羊 | 冬 | 東京勢はこういう風に言うしかないんでしょうね。今回、岩手強いなー、きっと。 | ||
16 | 1.10.30 | 水曜日 | 火恋しスーツケースを引く右手 ひこいしすーつけーすをひくみぎて |
火恋し | 冬 | 右手の触覚で現しました。 | ||
15 | 1.9.17 | 火曜日 | 名を付けて産地直売秋高し なおつけてさんちょくばいあきたかし |
直(直売) | 秋高し | 秋 | 「秋高し」がいいね。 | |
14 | 1.9.12 | 木曜日(虎の巻) | はじかみの薄切り当ての一品に はじかみのうすぎりあてのいっぴんに |
生姜 | はじかみ | 秋 | これは酒飲みのやつですねー。 | |
13 | 1.8.14 | 水曜日 | 見慣れたる制服俳句甲子園 みなれたるせいふくはいくこうしえん |
俳句甲子園 | 夏 | あそこの学校のあの制服の子たち応援しようなんてね、来てくれる人たちいっぱいいるんです | ||
12 | 1.7.25 | 木曜日 | 籐寝椅子桃源郷めく健駄羅 とうねいすとうげんきょうめくがんだーら |
健(健駄羅) | 籐寝椅子 | 夏 | もう健駄羅聞き飽きるくらい健駄羅を連呼いたしましたが | |
11 | 1.6.4 | 火曜日 | 乾燥機フル回転のながしかな かんそうきふるかいてんのながしかな |
ながし | ながし | 夏 | 雨を呼ぶような風なんですね。 |
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10 | 31.4.30 | 火曜日 | ベジタリアン串に肉無きバーベキュー べじたりあんくしににくなきばーべきゅー |
串 | バーベキュー | 夏 | さみしくないかー。 | |
9 | 31.2.27 | 水曜日 | クロッカス百葉箱の褪すペンキ くろっかすひゃくようばこのあすぺんき |
クロッカス | クロッカス | 春 | 褪すは褪せるという意味ですねえ | |
8 | 31.2.5 | 火曜日 | セイシェルを聖子の歌で知つた夏 せいしぇるをせいこのうたでしったなつ |
セ(セイシェル) | 夏 | 夏 | 東京娘ヤッチーは、松田聖子。 | |
7 | 31.1.15 | 火曜日 | 寒猿の生欠伸さへ哀れなり かんえんのなまあくびさえあわれなり |
寒猿 | 寒猿 | 冬 | ああ、この憐れ、ずばり言いたい気持ち分かるわ。 |
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6 | 30.12.18 | 火曜日 | カードを添へらるクリスマスカクタス かーどをそえらるくりすますかくたす |
クリスマスカクタス | クリスマスカクタス | 冬 | まさにクリスマスの明るさですね。 | |
5 | 30.11.1 | 金曜日 | 棺より菊吸虫の這出でし ひつぎよりきくすいむしのはいいでし |
菊吸虫 | 菊吸虫 | 秋 | これそのまんま焼かれずにすんだという、際々の脱出劇というヤツですね。菊吸蟲が御棺のへりでウニョウニョしている姿が見えたような気がいたしました。 |
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4 | 30.10.3 | 水曜日 | 雨降つて荒らぐ川の江鮭 あめふってあららぐ(すさらぐ)かわのあめのうお |
紅鮭 | 紅鮭 | 秋 | すさらぐ、荒れるということですねえ | |
3 | 30.8.28 | 火曜日 | 仕出し屋のアルバイト増ゆ風祭 しだしやのあるばいとふゆかぜまつり |
風祭 | 風祭 | 秋 | この人も俳号書いてないんですが、アドレスから判断してヤッチーではないかという一句。 | |
2 | 30.8.3 | 金曜日 | 外つ国の芝生に円座夏期講座 とつくにのすばふにえんざかきこうざ |
夏期講座 | 夏期講座 | 夏 | 東京娘ヤッチーの一句も、なんかかっこいい海外留学かなあと思いました。 なんか、外国の人たちが芝生の木漏れ日の下に円く座って教授と語り合ってる。憧れますよねえ。わたしらが座ったら宴会してるのかみたいに見られるけどねえ。かっこいいなあと思います。 |
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1 | 30.7.11 | 水曜日 | 蚋払ふ乳牛の尾のすばしこし ふと払う乳牛のおのすばしこし |
蚋 | 蚋 | 夏 |