「愚陀物庵インターネット句会」

選者・八木健

2013年10月〜2016年4月

俳号・村上ヤチ代

全31句「特選」10句「秀逸」11句「入選」10句

 特選「俳句アート」

番号 日付 評価 句(添削句) 季語 季節 原句
31 28年4月 入選 海胆囲む遠慮気味なる箸の先

うにかこむえんりょぎみなるはしのさき
海胆
30 28年3月 特選
風車回り始めの一呼吸 

かざぐるままわりはじめのひとこきゅう
風車
29 28年2月 特選
腹筋のありそでなさそ亀鳴けり

ふっきんのありそでなさそかめなけり
亀鳴く
28 27年12月 入選 外つ国の絨緞買ふた武勇伝

とつくにのじゅうたんこうたぶゆうでん
絨緞
27 27年11月 特選
トローチと龍角散の冬に入る

とろーちとりゅうかくさんのふゆにいる
冬に入る
26 27年10月 入選 着陸す機体に釣瓶落としかな

ちゃくりくすきたいにつるべおとしかな
釣瓶落とし
25 27年9月 入選 白桃を剥くサロンパス剥がす如

はくとうをむくさろんぱすはがすごと
白桃
24 27年8月 特選
語り手の恐ろしき顔百物語

かたりべのおそろしきかおひゃくものがたり
百物語
23 27年7月 特選
短夜を鼾に支配されてゐる

みじかよをいびきにしはいされている
短夜 短夜を鼾に支配されにけり

みじかよをいびきにしはいされにけり
22 27年6月 秀逸 風呂敷に包まれ来る金魚玉

ふろしきにつつまれきたるきんぎょだま
金魚玉
21 27年5月 秀逸 露出度を大いに誇る初夏の妻

ろしゅつどをおおいにほこるしょかのつま
初夏
20 27年4月 秀逸 水草生ふ草間彌生の水の玉

みずくさおうくさまやよいのみずのたま
水草生ふ
19 27年3月 秀逸 青麦に悪さ見られてをりにけり

あおむぎにわるさみられてをりにけり
青麦
18 27年2月 秀逸 臨月の臍を尖らせ春の雷

りんげつのへそをとがらせはるのらい
春の雷
17 26年11月 入選 富士見坂より立冬のビルディング

ふじみざかよりろっとうのびるでぃんぐ
立冬
16 26年10月 秀逸 豊の秋どつしりとした腰持てり

とよのあきどっしりちしたこしもてり
豊の秋
15 26年6月 秀逸 バナナ売りさてとさくらもスタンバイ

ばななうりさてとさくらもすたんばい
バナナ
14 26年4月 特選
目借り時羊の群れも押寄せり

めかりどきひちじのむれもおしよせり
目借り時
13 26年3月 入選 唇が飛び跳ねてゐるチューリップ

くちびるがとびはねているちゅーりっぷ
チューリップ
12 特選

十本の指を笑はせレタス剥く 

じゅっぽんのゆびをわらわでれたすむく
レタス
11 26年2月 特選
つば広を競ふが如く春帽子

つばひろをきそうがごとくはるぼうし
春帽子
10 26年1月 入選 煮凝の溶けて崩れて酔ひにけり

にこごりのとけてくずれてよいにけり
煮凝
9 特選
夜勤明け一気に飲まむ寒卵

やきんあけいっきにのまんかんたまご

寒卵
8 25年12月 入選 スケボーを競ふ兄弟冬菜畑

すけぼーをきそうきょうだいふゆなばた
冬菜畑
7 秀逸 厨房に籠る夫の鰤大根

ちゅうぼうにこもるおっとのぶりだいこ
鰤大根
6 25年11月 入選 竹馬を苦手と除外文科系

たけうまをにがてとじょがいぶんかけい
竹馬
5 秀逸 UFOに探知されをり大枯野

ゆーほーにたんちされおりおおかれの
大枯野
4 特選
裏町にサンドバッグの音の冴ゆ

うらまちのさんどばっぐのおとのさゆ
冴える 裏町にサンドバッグの音冴ゆる

いらまちにさんどばっぐのおとさゆる 
3 25年10月 入選 ため息をつく犬と秋惜しみけり

ためいきをつくいぬとあきおしみけり
秋惜しむ
2 秀逸 虫の声をんなのゐない立飲み屋

むしのこえおんなのいないたちのみや
虫の声
1 秀逸 種採りて花色赤と記す袋

たねとりてはないろあかときすふくろ
種採る