現代俳句協会インターネット俳句会

2014年12月(165回)〜2016年3月(180回) G2会員

2016年5月(182回)〜2018年3月(204回) G1会員

全145句

俳号・ヤチ代

番号 互選 俳句 季語 季節 選評
145 204回 0 坂道を曲がり曲がりて山桜 

さかみちえおまがりまがりてやまざくら
山桜
144 0 休日はブランチまでの朝寝して 

ともばたらきぶらんちまでのあさねして
朝寝
143 4 トンネルの先はリラ咲く北の街

とんねるのさきはりらさくきたのまち
リラ
142 203回 0 強弱のくの字への字や梅の花 

きょうじゃくのくのじへのじやうめのはな
141 0 鳥曇甘味処の緋毛氈 

とりぐもりかんみどころのひもうせん
鳥曇
140 1 摘草に厭きて小枝で突き合ふ 

つみくさにあきてこえだでつつきあう
摘草
139 202回 0 賽の目に一喜一憂絵双六 

さいにめにいっきいちゆうえすごろく
絵双六 新年
138 0 小豆粥夫と二人の小鍋かな 

あずきがゆつまとふたりのこなべかな
小豆粥 新年
137 0 お手本の止めはね払いお書初 

おてほんのとめはねはらいおかきぞめ
書初 新年
136 201回 0 冷たき手触れて弾ける静電気 

つめたきてふれてはじけるせいでんき
冷たし
135 2 茶の花や二文字の名の祖母と母 

ちゃのはなやふたもじのなのそぼとはは
茶の花
134 0 買ふ数の制限ありて十二月 

かうかずのせいげんありてじゅうにがつ
十二月
133 200回 2 畳屋の夫婦居並ぶ針供養 

たたみやのふうふいならぶはりくよう
針供養
132 3 陰干しのスーツ勤労感謝の日 

かげぼしのすーつきんろうかんしゃのひ
勤労感謝の日
131 3 下心隠しセーター編んでをり 

したごころかくしてせーたーあんでおり
セーター
130 199回 0 中国と生産地名そぞろ寒 

ちゅうごくとせいさんちめいそぞろざむ
そぞろ寒
129 0 高し樹も低し木も揺る秋景色 

たかしきもひくしきもゆるあきげしき
秋景色
128 1 リハビリの遅々と進まぬ秋時雨 

りはびりのちちとすすまぬあきしぐれ
秋時雨
127 198回 0 金秋の雲なき空の広さかな 

きんしゅうのくもなきそらのひろさかな
金秋
126 0 白秋の荒れ始めたる波頭 

はくしゅうのあれはじめたるなみがしら
白秋
125 0 林道を素秋たる風吹き抜けり 

りんどうをそしゅうたるかぜふきぬけり
素秋
124 197回 0 炒飯の釣瓶落としに匂ひけり

ちゃーはんのつるべおとしににおいけり
釣瓶落とし
123 1 秋暑し古本市のサイン本

あきあつしふるほんいちのさいんぼん
秋暑し
122 0 カンナ燃え大縄跳びも燃えてをり

かんなもえおおなわとびももえており
カンナ
121 196回 5 婚礼の一団潜る茅の輪かな

こんれいのいちだんくぐるちのわかな
茅の輪
120 0 ためらひつ紅を深紅に百日紅

ためらいつべにをしんくにさるすべり
百日紅
119 0 時差ぼけの急な眠気や時計草

じさぼけのきゅうなねむけやみょうがのこ
時計草
118 195回 3 餡蜜や女三代意地つ張り

あんみつやおんなさんだいいじっぱり
餡蜜
117 蛇苺武器の一つに涙あり

へびいちごぶきのひとつになみだあり
蛇苺
116 2 羊水に漂ふ如く水中花

ようすいにただようごとくすいちゅうか
水中花
115 194回 3 看護衣の染み一つ無き

聖五月 かんごいのしみひとつなきせいごがつ
聖五月
114 0 碁会所のレディースデーや風薫る

ごかいしょのれでぃーすでーやかぜかおる
風薫る
113 0 足早に片手で掛けるサングラス

あしばやにかたてでかけるさんぐらす
サングラス
112 193回 6 花疲れ紅茶に垂らすブランデー

はなずかれこうちゃにたらすぶらんで−
花疲れ
111 2 花屑を舞ひ上げ進む三輪車

はなくずをまいあげすすむさんりんしゃ
花屑
110 0 平等に老若男女春眠し

びょうどうにろうにゃくなんにょしゅんみんし
春眠
109 192回 0 卒園式終はりて母に甘えをり

そつえんしきおわりてははにあまえおり
卒園式
108 0 デジカメと一眼レフと笑ふ山

でじかめといちがんれふとわらうやま
笑う山
107 2 黒鍵のねこふんじやつたうららけし

こくけんのねこふんじゃったうららけし
うららけし
106 191回 4 草萌や乳歯と並ぶ永久歯

くさもえやにゅうしとならぶえいきゅうし
草萌
105 1 占いのカード切る音春炬燵

うらないのかーどきるおとはるこたつ
春炬燵
104 1 春一番リボン結びの靴の紐

はるいちばんりぼんむすびのくつのひも
春一番
103 190回 0 孫と子と妻の名を記すお年玉 

まごとことつまのなをきすおとしだま
お年玉 新年
102 1 鐘を聞き近間の寺へ初詣 

かねをききちかまのてらへはつもうで
初詣 新年
101 1 買初を煽る店主の掠れ声 

かいぞめをあおるてんしゅのかすれごえ
買初 新年
100 189回 0 毛糸編む暫く話かけないで

けいとあむしばらくはなしかけないで
毛糸編む
99 4 名物は店主にありて鯛焼屋

めいぶつはてんしゅにありてたいやきや
鯛焼屋
98 1 学童等冬夕焼より走り来る

がくどうらふゆゆやけよりはしりくる
冬夕焼
97 188回 2 茶の花や今は好きです古風な名

ちゃのはなやいまはすきですこふうなな
茶の花
96 0 霜柱おニューの靴で踏む躊躇

しもばしらおにゅーのくつでふむちゅうちょ
霜柱
95 1  子のパスタ夫のウドンの葱刻む

このぱすたつまのうどんのねぎきざむ
94 186回 1 おかつぱは母の床屋や花野風

おかっぱはははのとこややはなにかぜ
花野風
93 0 水澄みて濁りたる目を洗ひけり

みずすみてにごりたるめをあらいけり
水澄む
92 奇術師の煙に巻かれ蚯蚓鳴く

きじゅつしのけむりにまかれみみずなく
蚯蚓鳴く
91 185回 0 路地裏に石のごみ箱草の花

ろじうらにいしのごみばこくさのはな
草の花
90 0 夕暮れを告ぐ曲流る夕化粧

ゆうぐれをつぐきょくながるゆうげしょう
夕化粧
89 0 自転車を秋の色めく向ひ風

じてんしゃをあきのいろめくむかいかぜ
秋の色
88 184回 0 孫の歩へ合す気力やかき氷

まごのほへあわすきりょくやかきごおり
かき氷
87 0 色付きのひよこ哀れや夜店の灯

いろつきのひよこあわれやよみせのひ
夜店
86 1 安宿のバックパッカー水シャワー

やすやどのばっくっぱっかーみずしゃわー
シャワー
85 183回 0 さみだれに皿潤をへり河太郎

さみだれにさらうるおえりかわたとう
さみだれ
84 0 避暑地にてあの人よほらあの人よ

ひしょちにてあのひとよほらあにひとよ
避暑地
83 1 パセリ噛む辺りを浄化させながら

ぱせりかむあたりをじょうかさせながら
パセリ
82 182回 9 草笛を口尖らせて聞く子かな

くさぶえをくちとがらせてきくこかな
草笛 この子は草笛が吹けないのでしょうね。
友達や先生が吹いていて、それと同じような口の動きをしています。
「口尖らせて」にこの子の吹きたいという願望が強く出ています。
学ぶことは真似るですから、きっと吹けるようになるでしょう。
81 1 教会の裏庭広し新樹の香

きょうかいのうらにわひろししんじゅのか
新樹
80 4 金魚の死アイスの棒に名を記す

きんぎょのしあいすのぼうになをしるす
金魚
79 180回 0 けじめとや丸刈を決め卒業す

けじめとやまるがりをきめそつぎょうす
卒業
78 1 雉振り向きて宙を舞う尾羽かな

きじふりむきてちゅうをまうおばねかな
77 0 男衆のレディーファースト梅の花

おとこしのれでぃーふぁーすとうめのはな
梅の花
76 0 目薬の目玉に落ちぬ目借り時

めぐすりのめだまにおちぬめかりどき
目借り時
75 179回 0 花ミモザ絵手紙描く墨を擦る

花ミモザ
74 0 春星や明日の運気を占へり

春星
73 1 当番のバケツに注ぐ春の水

春の水
72 0 水温む夫と出かける日の予定

水温む
71 0 梅寒し夫の呼びかけ聞き漏らす

梅寒し
70 178回 0 町会の子等を引連れ獅子頭

獅子頭 新年
69 1 初仕事訓示は干支の話から

初仕事 新年
68 1 初凪の水平線は一文字

初凪 新年
67 0 煮え滾る大鍋に射す初日の出

初日の出 新年
66 0 新しき歯ブラシ下ろしお正月

お正月 新年
65 177回 0 山眠る蒸籠に並ぶ酒饅頭

山眠る
64 1 耳元の大きな声や日向ぼこ

日向ぼこ
63 1 ピンク地のベビー毛布の軽さかな

毛布
62 0 寄付募る黒きコートの救世軍

コート
61 0 重ね着と思はぬ薄き下着かな

重ね着
60 176回 0 雪靴の男女別無くずぼずぼと

雪靴
59 4 マニキュアの乾かぬうちの湯ざめかな

湯ざめ
58 2 煙突に銭湯の名や寒鴉

寒鴉
57 0 きりの良い所まで編む毛糸かな

毛糸編む
56 2 雪の日の純白とゐふ色のあり

55 175回 0 豊年の空高々と広きかな

豊年
54 1 種採りや小さき袋に名を書きて

種採り
53 0 夜なべせるコンピューターのキーの音

夜なべ
52 0 林檎食ぶ孟子荀子の説聞きつ

林檎
51 0 山海の食を巡りて秋遊

秋遊
50 174回 1 銭湯の営業を待つ菊日和

菊日和
49 0 休暇明妻の時間を取戻す

休暇明
48 1 外つ国の子へ新米と旅立ちぬ

新米
47 0 災難を自嘲せざるる秋出水

秋出水
46 1 シンデレラ城月の座を独り占め

月の座
45 173回 3 をとめ等の飲みつぷり佳き良夜かな

良夜
44 2 此の秋を歩き始めし小さき靴

43 0 革靴を磨き上ぐ秋始まりぬ

42 1 抱かれたく手を差し伸べる夜長かな

夜長
41 1 灯火親し座右の銘と赤ワイン

灯火親し
40 172回 2 人の影揺れて水馬ちりぢりに

水馬
39 2 抱かれつつ香水変へし事問はれ

香水
38 1 夕立のあつけらかんとしらんぷり

夕立
37 2 外壁の工事の足場とれ盛夏

盛夏
36 2 大空は大夕焼の大舞台

大夕焼け
35 171回 0 噴水に脅かされをり座敷犬

噴水
34 3 聞き上手とは言へゼリー崩れさう

ゼリー
33 0 大鍋にカレーを煮込むキャンプ村

キャンプ村
32 2 母となり子とお揃ひの祭髪

祭髪
31 3 枇杷冷やす今日はあの人くる日なの

枇杷
30 170回
819句
2 幕間の座席で開く豆御飯

豆御飯
29 0 瀧の上河なだらかに滔滔と

28 1 青嵐火の見櫓を抜けてきし

青嵐
27 1 麦の秋一筆書の日本地図

麦の秋
26 0 母の日の乳房大いに誇りけり

母の日
25 169回
779句
4 望遠のレンズ重たき鳥の恋

ぼうえんのれんずおもたきとりのこい
鳥の恋 バードウオッチングですね。
望遠レンズは確かに重たい道具です。
この句の場合、「重たき」いう言葉が、「鳥の恋」という賑やかな風景と違和感があります。
望遠レンズが重たいのはだれでも知っているので、ここは重たいを消し、
望遠レンズと鳥の恋をぶつけるような句にしてはいかがでしょうか。
24 0 大小の鉢を揃えて春の土

春の土
23 0 花曇店先に傘並べをり

花曇
22 2 遍路杖小さき母の背丈越え

遍路杖
21 0 暗唱の声を揃へし啄木忌

あんしょうのこえをそろえしたくぼくき
啄木忌 教室の風景でしょうか。
しかも、低学年の。
啄木は、実生活ではとんでもない作家でしたが、愛誦される短歌をたくさん残しました。
そのひとつを暗唱する子どもたち。やさしく哀しい啄木忌です。
20 168回
1024句
1 紙風船ふうふうと言ひ吹入るる

紙風船
19 2 春眠を現に戻す母の声

春眠
18 2 春日向犬の欠伸を移されり

春日向
17 0 囀や父の名前を孫が継ぐ

16 2 クレパスの黄色が指に菜種梅雨

菜種梅雨
15 167回
975句
1 ぶらんこを漕ぐこの風は過去の風

ぶらんこをこぐこのかぜはかこのかぜ
ぶらんこ 郷愁の風が自分の身体を遠くまで運んでいきます。
当たり前のようにみえますが、この率直な言い方に惹かれました。
叙情の句です。
14 0 袖口もミサンガも濡れ春の水

春の水
13 0 女子会のコース料理や春灯下

春灯下
12 0 白梅の下割箸のクロス挿す

白梅
11 0 大輪の赤の朝顔蒔きにけり

朝顔蒔く
10 166回
982句
0 重さうな襖の軽く滑りけり

9 0 寒柝を順番に打つ子供会

寒柝
8 1 帰国の子両手で受くる根深汁

根深汁
7 2 脱サラの夫黙々と冬耕す

冬耕
6 1 風呂吹きにフォーク所望の娘婿

風呂吹
5 165回
961句
0 昼の影手袋外し触れにけり

手袋
4 0 派手好きの家に咲きたる枇杷の花

枇杷の花
3 2 数へ日の脚立を畳む音響く

数え日
2 3 山眠る仲間に配る缶汁粉

山眠る
1 1 茶の花や正座の母の小さきこと

ちゃのはなやせいざのははのちさきこと
茶の花 よくあるとらえ方、取り合わせのようにも見えますが、捨てがたい滋味があります。
茶の花がよき選択です。